著者:吉田 智彦
ページ数:120

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1997年、やることもやらないことも全て自分で決めなければ何ひとつ事が進まない純粋無垢な旅を求め、北極海へと注ぐ大河、マッケンジー川をカヤックで下った旅の記録。
カナダ北部ノースウエスト準州、グレートスレイブレイクの流れ出しにあるデネ族の小さな集落から北極海までの距離は、約1700キロ。沿岸に点在する集落と集落の距離が数百キロに及ぶことはザラで、すべてを覆い尽くすように果てしなく広がる針葉樹林の原野にはクマやオオカミ、カリブー、ムースなどの大型動物をはじめ、ビーバーやヤマアラシのような小型動物までさまざまな生き物が暮らしている。白夜の夏、川を下ってはテントで眠り、また下る日々の中で、大陸の野生が持つ圧倒的な大きさ、強さ、惨さと美しさを肌で感じていく。そして、集落では、代々その地で生きてきた先住民や天然資源などを求めて「サウス」からやって来た白人たちと出会い、自然と文明の迫間で生きる人間の価値観を知りながら、ひたすら北極海へと川を下っていく。

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