著者:吉田正
ページ数:33

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 企業がマーケティング活動を行う場として古くから存在感を示しているのが展示会やセミナーです。展示会やセミナーは、顧客を一堂に集めることができ、それら一同に対して一斉に情報提供やアプローチが可能なことから、マーケティング効率が高いと考えられてきました。ところが最近は、ウェブマーケティングやデジタルマーケティングといった新種のマーケティングに押されて、イベント(展示会)マーケティングの効果が薄れているという声を聞きます。他方で、ウェブマーケティングやデジタルマーケティングを得意とする大手通信会社や大手ITソリューション会社が、今でも積極的に展示会に出展したり、プライベートショーを開催したり、プライベートセミナーを開催するのはなぜでしょうか。答えは簡単で、イベント(展示会)マーケティングが進化しているから、またはイベント(展示会)マーケティングとウェブマーケティングやデジタルマーケティングを共用して効果を相乗的に高めているからです。
 企業が展示会に出展する目的として、認知度向上、新規顧客の開拓、既存顧客との関係強化などがあります。B2Bの商品(製品)を対象とする展示会であれば、新規顧客の開拓を最優先に掲げる場合が多いようです。いずれにしても、展示会というイベントを成功させるためには、イベントの企画設計、イベントに向けた準備、イベント期間中の運営、イベント終了後のフォローアップ、次につなげる反省会、の5つのステージにわけて、オペレーショナルな視点から活動を整理する必要があります。(これらについては別書「見本市・展示会の有効活用」で概要を説明しております。)
 一方で、マーケティングの視点から展示会を考察すると別のやるべきことが見えてきます。本書は、「見本市・展示会の有効活用」の続編として書きあげましたので、イベントをB2B商談型展示会(以下、展示会という)に置き換えて、オペレーショナルな切り口による展示会出展業務手順にそって、場面ごとに活用できるマーケティング手法を紹介していきます。
 ささやかな内容ではありますが、展示会を販路拡大や事業成長の機会として有効に活用したいと考えるみなさんの参考本として利用ください。

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