著者:葛城明彦
ページ数:210

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「俺にとってボクシングは、青木さんがすべてだった。青木さんがいたから、俺はボクサーになって、世界へも行けた」
(元WBC世界フェザー級、WBA,WBC世界Jrライト級チャンピオン 柴田国明)

ファイティング原田、海老原博幸、藤猛など幾多のスターが生まれた1960年代の日本ボクシング黄金時代。その中にあって、ひときわ人気を集めたボクサーがいた。〝メガトン・パンチ〟青木勝利である。少年院でボクシングに出会い、退院後にジムに入門。連戦連勝で瞬く間に頭角を現し、わずか19歳で東洋王座を獲得——―。
しかし、その類まれなる才能とは裏腹に、極度の練習嫌いでたびたび失踪し、試合当日に酒を飲んでリングに上がることすらあったという。
連続KO勝利の日本記録樹立(当時)、バンタム級史上最強の王者エデル・ジョフレへの挑戦、ライバルのファイティング原田との世紀の対決、そしてスターの座からの転落……。
漫画『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈のモデルにもなったとされる稀代の天才ボクサー・青木勝利。その知られざる栄光と挫折の軌跡。

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