著者:空海
ページ数:252
¥636 → ¥0
空海の代表的著作の一つである『秘密曼荼羅十住心論』(略称『十住心論』)全十巻の訓読です。
密教の立場から人間の心の発達次第を述べたものであると同時に、仏教諸派の概説書的な性格も持っています。その卓越した言語力は他を圧倒しています。例えば十住心論の中でも他縁大乗心(唯識)は特に紙面を割かれていますが、多くの論書を読んでいることが読み取れます。特に唯識派の論書である『成唯識論』は読むだけでも膨大な時間を要しますが、その意を余さず概説しているのは空海が天才と呼ばれる由縁とも言えるでしょう。深く仏教諸派を学んだ空海が密教とは一体どのようなものなのでしょうか。本書の読み方としては、単に密教の書として読むだけではなく、仏教の概説書として読んだり、そして博学の空海が密教を選んだ理由を考えながら読むのも一興でしょう。
第十巻の最後は意図的か途中で終わっているように読めます。改めて全て述べる必要はないとする空海の意図も汲み取れます。
本書の訓読の底本とした浄厳の校正本、朱書き蓮体には巻末に以下の句が書かれています。
密教の立場から人間の心の発達次第を述べたものであると同時に、仏教諸派の概説書的な性格も持っています。その卓越した言語力は他を圧倒しています。例えば十住心論の中でも他縁大乗心(唯識)は特に紙面を割かれていますが、多くの論書を読んでいることが読み取れます。特に唯識派の論書である『成唯識論』は読むだけでも膨大な時間を要しますが、その意を余さず概説しているのは空海が天才と呼ばれる由縁とも言えるでしょう。深く仏教諸派を学んだ空海が密教とは一体どのようなものなのでしょうか。本書の読み方としては、単に密教の書として読むだけではなく、仏教の概説書として読んだり、そして博学の空海が密教を選んだ理由を考えながら読むのも一興でしょう。
第十巻の最後は意図的か途中で終わっているように読めます。改めて全て述べる必要はないとする空海の意図も汲み取れます。
本書の訓読の底本とした浄厳の校正本、朱書き蓮体には巻末に以下の句が書かれています。
頼公の校すらく。
極無自性乗は浄菩提心に約して不生を明かす。
秘密荘厳心は大悲胎蔵曼荼羅の究竟不生に約して義を明かす。
頼公とは根来寺の頼踰を指し、頼輸の見解を浄厳は採用しています。
この見解が正しいかどうかは読者の理解に委ねられています。
このような読み方も『十住心論』の読み方の1つと言えるでしょう。
※本書は江戸期の浄厳の校正本に蓮体の朱書きの入った自筆本を元に書き下しを行っています。
したがって他の本と訓点や漢字が異なる場合があることをご了承ください。
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