著者:高橋 敏雄
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[商品について]
―糖蜜色ってどんな色?―
タイ語で黒くて太った人を意味する「ワンダム」おじさん。おじさんは糖蜜を原料にして酵母を培養したり、旨味調味料の中間原料であるグルタミン酸を細菌につくらせたりする仕事をしている。サトウキビ糖蜜を酵母やグルタミン酸を生産する細菌に食べさせる仕事で、タイにも20年ほど滞在していた。「ワンダム」の愛称は、その時に頂戴したものだ。そんなワンダムおじさんは、仕事とは別に、趣味でずっと「糖蜜色」の研究をしている。でも趣味とはいえ研究職の血が騒ぐおじさんは、「糖蜜色」研究にも妥協はないのだ。糖蜜色素や糖蜜色物質の性質から腐植物質とのかかわり、果ては太古の海の色まで、楽しくも奥深い「糖蜜色」の世界を熱く語るワンダムおじさん研究記。

[目次]
プロローグ  S嬢の目覚め
第1章  ワンダムおじさん登場
1.1  ワンダムおじさん誕生
1.2  すくすく育てサトウキビ
1.3  製糖工場で糖蜜ができるまで
1.4  ワンダムおじさんの研究室と研究道具
第2章  糖蜜色とはどんな色?
2.1  糖蜜色をRGBで表す
2.2  タイ語で「茶色」は「砂糖色」
2.3  糖蜜色類似色を選ぶ
2.4  糖蜜類似色起源物質の化学構造
2.5  糖蜜の紫外可視吸収スペクトル
第3章  糖蜜色の成分とその性質
3.1  サトウキビジュースの色とポリフェノール
3.2  糖蜜色素の分類とメイラード反応について
3.3  糖蜜色素のでき方に影響をおよぼす因子
3.4  糖蜜水溶液を3年4ヶ月放置した実験
第4章  自然界にある糖蜜色物質の性質と役割
4.1  腐植物質、メラノイジンそしてメラニン
4.2  A嬢の小麦色の肌とワンダムおじさんのダムな肌
4.3  地球の緯度とそこに住むヒトの皮膚色
4.4  君は太陽族?
4.5  樹木の葉と樹皮の色
4.6  タイの大洪水のとき土の色について考えた
第5章  糖蜜色の鉄と腐植物質が生命を育んだ
5.1  鉄と腐植物質のかかわり
5.2  生物の共通祖先は鉄還元微生物か?
5.3  糖蜜色に染まった太古の海
5.4  ミトコンドリアがつくる活性酸素
5.5  太陽光線と酸素の大気に曝されて生きる
第6章  ヒトとメイラード反応のかかわり
6.1  ヒトはメイラード反応の色が大好きな動物である
6.2  生体内メイラード反応が寿命を縮める
6.3  食品中のメイラード反応生成物の功罪
6.4  生体内メイラード反応を抑制する物質
エピローグの前に  マンゴーの実、土に還る
エピローグ  S嬢の見る夢
参考文献
著者略歴

[担当からのコメント]
冒頭から酵母のS嬢を愛でるワンダムおじさんですが、読みおえる頃には貴方もS嬢が愛おしくなる、本書にはそんな魅力があります。ユーモアたっぷりの語り口で展開する糖蜜色の世界、ぜひじっくりとお楽しみください。

[著者略歴]
高橋 敏雄(たかはし・としお)

1952年三重県美杉村(現津市美杉町)生まれ。1972年鈴鹿高専工業化学科卒業後に旭化成(株)入社。
主として糖蜜を原料とした発酵関係の研究開発および製造業務に従事。
1983年インドネシアにて技術指導、1987年から1994年タイ駐在。1999年旭化成食品事業部の日本たばこ産業(株)への譲渡と同時にタイの子会社であるタイフーズインターナショナル社に出向、2005年同社社長、2011年同社顧問を経て2012年に退職し日本へ帰国。
帰国後は宮崎県延岡市に在住。自称「糖蜜色研究家」
ホームページ 「ワンダムおじさんの糖蜜色研究室」に趣味の研究結果を公開している。

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