著者:安倍煉路
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魔都マニラ、大統領選に潜む凶悪な陰謀を描く。国家の命運を握るのは日本の三十代サラリーマン二人。普通のオッサンたちが海外旅行をきっかけに事件に巻き込まれていく。妖艶な誘惑の先に待ち受けていたのは後悔の咆哮。誰が味方で敵なのか。登場人物全員容疑者。ユーモアを散らかし刻み良いテンポで進む展開、言葉を失う現実、全てを惑わす衝撃のラスト。
世の全ての人たちへ告ぐ。真の狂気に対して真顔を貫く意志はあるか。サスペンスでもコメディでもないクレイジーマニラという新ジャンル。
以下のあらすじも含め決してオフィスでは読まないで欲しい――。
ーあらすじー
平凡を愛する小野寺ケンの人生は嵐など経験してこないままの航海。三十歳を過ぎ人生を謳歌し始めた頃。職場の先輩である安倍レンジから海外旅行の誘いを受ける。行先はフィリピンの首都マニラ。どんな所か全く知らない。とにかく響きの悪そうな都市名だ。決して今の生活に不満があった訳ではない。少し羽を伸ばしたい。それくらいの小さな興味が沸いた。
安倍レンジは社内で奇人として有名だった。絵に描いたような遊び人で素行が悪い。しかし業績はトップ。数年前からマニラを行き来しており『投資か副業をしている』と噂されていた。
酷暑が続く日本を離れ、小野寺ケンはマニラの地に降り立った。始めこそ現地の混沌に圧倒されるが次第に魅了されていく。美しい女性たち、死と隣り合わせの治安の悪さ、貧富の差。日本が現実だとするとマニラはゲームの世界。何もかもが刺激的だった。石橋を叩いて渡るタイプの小野寺ケン、石橋を叩いてブッ壊す安倍レンジ。二人の人生がマニラ旅行をきっかけに狂い始める。
三度目の渡航を控えていた週明け。一人のフィリピン女性の訃報が伝わる。事故死と思われたが狡猾に計画された殺人事件だった。小野寺ケンと安倍レンジはその謎を探る。容疑者はマニラの権力者たち。背後には大統領選があった。
真実に迫る安倍レンジは凶弾に倒れる。小野寺ケンは躯の前で打ちひしがれる。しかし全ては仕組まれていた。ストーリーの始めから。狂った歯車は知らぬ世界で噛み合う。
物語の鍵を握るのは二人だけではない。登場してくる美女たち、その関係者、身内もそうだ。安倍レンジのビジネスパートナーは現大統領の親類だった。利権を保持したい勢力と奪い取りたい勢力。それらを裏で操る富裕層、タイミングを計る者の存在。混ざった全ての危険物は主要な登場人物を出し抜くために最後までその力を蓄えた。
全ての事象は誰かの意思が引数となり絡み合う。そして状況は刻々と変化する。全員が味方に、悪役に、黒幕に。一体誰を、何を信じれば良いのだろう。訪れた人を狂気に巻き込む。
さあようこそクレイジーマニラへ。
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