著者:斉藤 常治
ページ数:108

¥499¥0

★2019年12月から2023年1月まで7回改訂、著者は令和5年度から「総務省地域力創造アドバイザー」に就任、今後、各地の自治体の地域活性化のお手伝いを積極的に行っていきます。

■資格がなくても「旅行業」や「観光業」ができる本
~「withコロナ時代」の2つの方法~

目次
最新ハイブリッドガイド手記1
はじめに
第1章:資格がなくても「旅行業」や「観光業」ができるとは?
第2章:新旧が交錯するガイドマッチングサービス
第3章:代表的なガイドマッチングサービス
第4章:コロナ渦での体験ガイドの活動
第5章:with/afterコロナの体験ツアー
最新ハイブリッドガイド手記2(おわりに)
【著者略歴】

最新ハイブリッドガイド手記1
「自作ツアー開催を夢想していた通訳ガイドが一周回ってふりだしに戻った件」

●はじめに

「差出人 :Viator
タイトル:2022/9/5(土)の新規予約
ご対応は必要ありません。この予約は確定しています。」

 コロナのある生活がすっかり普通になった2022年8月、いつものようにメールをチェックした私は、その場でしばし固まっていました。

・・・・・・新規予約? 確定?? え、ViatorってTripAdvisorのことだよね???

 なんと、2年も前に「とりあえず」登録しておいた、インバウンド向け「日暮里繊維街ツアー」に、予約が入ったのでした。

●2019年:RailfanGuideのメンバーになる
 はじめまして、MOMO(モモ)と申します。
コロナ禍になるまで、副業で通訳ガイドの仕事をしていました。ガイドの資格を取ったきっかけは東京オリンピック。大会ボランティアをやりたくて、「資格があれば役に立つかも」と思ったからです。
旅行会社に登録し、都内観光ツアーのガイドをしていた2019年夏、斉藤さんの「資格がなくても旅行業や観光業ができる本」を読みました。ちょうど「趣味のソーイングをいかして、インバウンド向けに日暮里繊維街を案内する自前のツアーができないかな」と思っていた頃です。その後、斉藤さんのセミナーやツアーに参加、RailfanGuideグループ(以下RFG。現在は「ガイドマッチング情報グループ」に名称変更)のメンバーにも加えてもらいました。
ただ、当時は自前のツアーといっても、「いつかできたらいいな」ぐらい漠然と考えていただけ。目標というよりぼんやりした夢でした。それがどう回り回って2年後実現に至ったのか、つらつらご紹介したいと思います。「こういうルートもあるんだな」と、参考になれば幸いです。

●2020年前半:Viatorでインバウンド向けリアルツアー登録
 あけて2020年、日本でもコロナ禍が広がり、3月にはガイドの仕事がすべてキャンセルになりました。
~省略~
 ・・・・・・困りました。すでに観光業界もオンライン化が進みつつあり、他のメンバーは次々とオリジナリティあるオンライン体験を公開していました。でも私にとって、オンラインはまったくの想定外。それに日暮里以外やりたい・やれるネタも考えつきません。「こりゃ脱会かな」と思い始めた頃、斉藤さんに「オンラインでもリアルでも、ツアーなら何でもいいよ」と言われ、「それなら」となかばヤケクソで登録したのが、Viatorの日暮里繊維街ツアーです。
 もちろんインバウンド向けのリアルツアーなので、開催できる見込みはありません。開催曜日と時間は指定したものの、予約は受け付けない設定にし、それきり放置していました。

●2020年後半:TABICAとTripAdvisorで日本人向けオンラインツアー登録&開催

 この頃RFGでは、「英語も日本語もありのハイブリッドガイド」という新しいコンセプトのもと、TABICA(現aini)やTripAdvisorで日本語体験を公開する動きが盛んでした。その流れで私にも、「ためしに、日本人向けに日暮里繊維街のオンラインツアーを作ってみたら?」と、斉藤さんからアドバイスがありました。
もともとインバウンド向けのリアルツアーしか頭になく、正直最初は気が進みませんでした。でも感染状況からして、リアルのツアーは当分無理そう。渋々(?)ながら、TripAdvisorとTABICAで日暮里繊維街の日本語オンラインツアーを登録しました。2020年9月のことです。
 登録はしたものの「需要あるのかな」と半信半疑でしたが、開催の機会は思いがけず早くやって来ました。1か月後の10月、斉藤さんが体験ツアー造成プロジェクトでサポートしている2名の女性に向けて、RFGメンバーがツアー(体験)を順次開催することになり、私にもお声がかかったのです。
 慌ててパワーポイントの本を読み(そこから!?)、四苦八苦しながらスライドを作成、斉藤さんにもチェックしていただいて、ドキドキで当日を迎えました。日本語だしスライドあるし、英語のリアルツアーよりよほど楽そうなものですが、ホストの立場でオンライン開催するのはまた違った緊張感があります。前日には思いがけず一般の方からも申し込みが入り、画面越しの3名に向け、冷汗をかきながらご案内しました。いや~~~緊張した!

●2021年:日本語オンラインツアーをまったり開催
 その後はありがたいことに、1カ月に1人ぐらいの頻度で予約が入り、ぽつりぽつりと開催が続きました。2021年には大学の日本語科の生徒さんたちに向けて、英語のスライドを見せながら日本語でガイド、というグループツアーも経験しました。
 リアルではGo Toトラベルの一環で、日本人向けに大相撲本場所観戦ツアーをガイドしたことも。本場所観戦ツアーはコロナ禍前もやっていましたが、インバウンド向けだったため、話す内容は大幅に変える必要がありました。単純に「英語⇔日本語」ではないんだな、というのが両方やってみての感想です。何より「日本人に向けて、日本語でガイドしている自分」は予想外の展開で、何とも不思議な感覚でした。

●2022年:Viatorでツアー開催&Airbnbでツアー登録
 コロナ禍3年目の2022年は、オンラインツアー熱もひと頃に比べ落ち着いた印象があります。私はというと、コロナ禍前にやっていた送迎の仕事(来日ゲストを空港や駅で送り迎え)を再開した一方で、オンラインツアーの方はすっかりご無沙汰になっていました。

このままいけば、遠からずインバウンドも戻ってきそう。
そうなったら日暮里繊維街ツアーをどうするか、考えないと。
やろうかなー、どうしようかなー、うーんうーんう(以下略)

どちらとも決めかねるまま過ごしていた8月のある日、Viatorから突然の予約確定メールが届きました。2年前、自分では予約できない設定にしたつもりが、どうもそうではなかったらしいのです。「これは何かの間違いではないか」と、おそるおそるゲストにご挨拶のメールを送ったところ、すぐ返事が返ってきて、「ホントに予約が入ったんだ・・・」と思い知りました。
あわてて下見に行き、行程を考え、ガイド原稿や資料を作り、それからはひたすら練習です。今回は日本語が先で英語が後でしたが、やはり内容は一から考え直しました。そして迎えたツアー当日、この日のために空のスーツケースを用意したというゲストは、ガチお買い物モード。この店で2m、あの店では5mといった具合に次々と布を買いまくり、私はそれをサポートするお買い物アテンドのような役回りとなりました。用意した原稿の半分も話すことなく終わりましたが、後日レビューを書いてくれたところを見ると、満足していただけたようです。
 そしてこのツアー、驚いたことに11月にも予約が入り、2回目を開催しました。さらに驚いたことに、12月に3回目の予約が入りました。今回はなんと4名のグループです。たまに予約が入ることはあっても1人だろうと思っていたので、人数を見てびっくり。いや、そもそも4名に設定したのは自分なんですが、「本当に4名で予約が入ったよ・・・」と妙に感心してしまいました。
 ちなみに、斉藤さんのアドバイスで、同じ内容のツアーをAirbnbにも登録しました。一体どれぐらい&どんなニーズがあるのか、今でもよくわかりませんが、それは相手が決めること。いつか予約が入る日を楽しみに待ちたいと思います。

●おわりに
 というわけで、「コロナ禍を経て、気がつけば一周回って夢がかなってた」というお話でした。何事も腰の重い自分、RFGメンバーと斉藤さんの存在がなければ、今でも行動に結びつかないままだったかもしれません。その意味では、「資格がなくても~」本との出会いは大きかったです。
 また今回の経験を通じて、「最初からこうと決めつけず、とりあえずやってみる」って大事だなと思いました。RFGのメンバーを見ていても、「準備ができてから動く」より「動きながら準備する」パターンが多いです。今、体験やツアーの開催を考えている方は、「とりあえず」登録するなど、小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。何がどう転ぶかわかりません。自分自身も含め、「まずはやってみよう」と声をかけたいと思います。

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