著者:永井公司
ページ数:123
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認知症の高齢者も介護スタッフも心身ともに楽になり、
おだやかな介護現場を実現できる「快一徹」のすすめ
について記させていただきました。
認知症介護の現場で戸惑い、疲弊しながらも
頑張る介護スタッフや認知症介護にかかわる方に
是非読んでいただきたい本になっております。
はじめまして、著者の永井公司と申します。
群馬県のみなかみ町というところで、
認知症グループホームを10年ほど運営しています。
認知症の症状って、いろいろな症状があり、
様々な要因や誘因から症状があらわれるようです。
そして、介護スタッフはその症状に戸惑い、
「なんとかおさめよう」「なんとか落ち着いてもらおう」
そう思って必死に頑張るわけです。
そんな時に私は介護スタッフに、こう声をかけます。
「楽をしたいよな。俺も昔、楽をしたいと思っていたから。」
「楽をしたければ、その人本人が喜ぶことをすればいいんだよ。」
「思い込みで介護をしては絶対ダメだよ。」
そうすると、人により反応は分かれます。
ある介護スタッフは「たいへんだから、楽をしたいです」と私に同意します。
別の介護スタッフは「楽をするなんてとんでもない、やさしさや思いやりをもって認知症の高齢者のための介護をするべきです」と言います。
昔の私は、この後者のタイプで、常識・ふつう・あたりまえ・やさしさ・思いやり・あなたのためだから・自分だったらどうしてほしいか、で頑張っていました。
そして「なんで私のいうことを聞いてくれないの」という強いストレスで、何度も認知症介護の世界を去ろうとしました。
そうです。認知症介護の世界では「たいへんだから、楽をしたいです」という介護スタッフが認知症の高齢者を心穏やかにし、介護スタッフ自身も楽に心穏やかに介護ができるのです。
この本は、昔の私のようにがんばりながら空回りし、認知症状に戸惑っている介護現場のスタッフを楽にするために、「快一徹」の介護とその実践をお伝えするものです。(「快一徹」は後述する山口晴保氏の造語です。)
認知症介護は、通常の介護の負担だけでなく、幻覚や妄想、徘徊や同じ話の繰り返しなどが、介護スタッフにとって大きなストレスになります。そして、そのストレスから認知症介護の仕事を続けられなくなるという方もいらっしゃいます。
そんな中で、認知症の高齢者その人が心穏やかで、介護スタッフが楽になる「快一徹」の認知症介護が、世の中に求められていると私は確信しているのです。
これから本書で、私が私なりに解釈して実践している「快一徹」の認知症介護について、ご説明します。
まず、「快一徹」の実例と中身について、次に認知症介護の3要素、そして「快一徹」のメリットについてお話していきます。
本書を読んでいただけると、「快一徹」がどのようなものなのか、認知症介護の現場に導入する方法がお分かりになると思います。
この本が幸せの贈り物として、あなたやあなたの大事な人を楽にして、心穏やかな生活を過ごせる力になってくれることを願っております。
目次
はじめに
第一章 「快一徹」で認知症介護が「楽」になる
二度と歩けないといわれたAさんが一人でトイレへ
ぬいぐるみを抱いたBちゃん
食器をなめまわすCさん
繰り返し同じことを聞いてくるDさん
わかる言葉は「ありがとね」
第二章 「快一徹」の介護の本質とは
快のサインと不快のサイン
快の対応について
快の対応やサインを知る方法
常識に対抗できるかが課題
第三章 認知症介護の3要素 ケア・環境・薬
認知症介護の3要素の前に
ケア・利用者をいつも見て考えること
認知症の方のための環境とは?
医療との関係について
医療連携の4つの事例
私が理想とする認知症介護とは
第四章 利用者さんと介護スタッフ、そして家族
認知症介護の入口
みんなにやさしい仕事
介護スタッフと利用者さん
在宅介護に思うこと
快一徹の経済効果
第五章 製造業とのつながりから
個別対応の製造業に入る
認知症介護の現場へ
快一徹との出会い
グループホームを立ち上げる
これからやりたいこと
おわりに
シリーズ一覧
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