著者:スザンヌ・シガール
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自己が抜け落ち、空(くう)が目覚める!
体験する自己はいなかった。
広大さが自らを経験する。
覚醒体験をした著者の自伝。
無我を体験する前の人生と、無我の体験とその後のマインドの恐怖感への取り組みと解放を綴る。
この本の興味深いところは、無我の体験をしたら安らぎが得られたのではなく、かえってマインドがそのことに恐怖を感じてしまうことです。
その解決策としていろいろな心理セラピストに10年もかよったことです。自我の思想である近代西洋文化に生きる心理セラピストは無我の体験について全然理解がなく逆に著者の苦しみ、恐怖は解決しません。
10年後、非二元(ノンデュアリティ)の先生に会うことによって、ようやく安らぎを得ます。
以下、本文より。
「ラマナ・マハルシと同じく、スザンヌの覚醒も唐突に、しかも心の準備もないままに起こりました。
ある時バスを待っていると、スザンヌは何者でもなくなったのです。スザンヌ・シガールという個人のアイデンティティが瞬時に抜け落ち、二度と戻りませんでした。
今あなたが手にしている自伝は、このアメリカ中西部出身の若いユダヤ人女性の驚くべき物語で、彼女がいかにしてその強烈な変容と折り合いをつけるに至ったか、この変容を病的なものと自己覚醒に展開していったかを述べています。」
「列に並ぼうとしていると、急に耳が塞がったように感じました。飛行機が着陸態勢に入って気圧が変化した時に起こる、あの感覚です。
目の前の光景から切り離されたような気がしました。まるで泡の中に閉じ込められたようで、不自然な動きしかできません。
バスに乗りこもうと右足を上げると、見えないフォースと正面衝突しました。
そのフォースは、まるで音もなく爆発するダイナマイトのように私の意識に入りこみ、通常意識の扉を蝶番もろとも吹き飛ばして、私を真っ二つに引き裂きました。
そこに現れた亀裂の中で、かつて「自分」と呼んでいたものが、私の内にある通常の居場所から突き飛ばされ、新しい場所……頭の約三十センチ後方左側に押しやられました。
今や「私」は肉体の後ろで、肉体に備わった目を通さずに世間を見ていたのです。」
「マインドの極度な警戒心には、疲労困憊させられました。マインドはいつも空の体験を拒絶しようとしていたため、他のことに気を留める余裕がありませんでした。
無我を目の当たりにし、無我を恐れ、無我を判断し、無我を忘れようとし、無我を拒み、無我について心配し、無我を問題視する……そんな毎日です。
眠りの中でさえも、個人のアイデンティティの不在は揺るぎませんでした。
頭がどのような活動をしようと、無我の体験に変化は起こらず、それを理解しよう、整理しよう、評価しようとする試みのどれ一つとして、アイデンティティの感覚を取り戻すことにはなりませんでした。」
「個としての自己が存在しないのだと理解されるために、恐怖心がどこかへ行く必要はありません。そもそも、恐怖心がどこへ行けるというのでしょう。
自己など最初から存在していません。変わるべきもの、消されるべきものなどありませんでした。
すべては、そこに在るだけでよく、何もする必要などなかったのです。
あらゆることが同時に起こっています。形体、空、苦痛、悟り、不安、目覚め……すべてが同時に生じているのです。
一度それを理解すると、こんなに簡単なことだったのかと思えました。恐怖心の縛りが解け、一挙に喜びが湧き出てきました。
空の体験が、とうとうその秘密を明かしたのです。空は、万物の実体そのものにすぎないのだと明かされました。
ようやく私は、ずっと目の前にあったのに恐怖心によって覆い隠されていたそれを理解しました。
個としての自己が存在しないだけではなく、他の誰も存在しなかったのです。
自己も、他人も存在しません。すべてが、同じ広大さの実体によって創られているからです。」
「この人生において目覚めが起こったのは、マインドが停止したからではありません。
心理的テクニックや精神的テクニックを用いたわけでも、特定の原因や明らかな原因があったわけでもありません。
そうではなく、広大さが神秘的な形で姿を現したのです。私はただ、バス停に立っていただけなのですから。
それなのに、目覚めが起こるために、特定の手法やテクニックが必要だと論じることなどできるでしょうか。」
(目次)より抜粋
イントロダクション/第一章 幼少期から青年期/第二章 超越フィールド/第三章 空への序章/第四章 空との衝突/第五章 空を黙殺する/第六章 空を分析する/第七章 空を広大さとして認識する/第八章 空の秘密/第九章 広大さを生きる/エピローグ 広大さとの会話
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