著者:茂木 悟
ページ数:422

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[商品について]
――天明三年(一七八三)に噴火し、利根川をはじめとする流域に大きな影響をもたらした山は次のどれでしょうか。
1.富士山、2.浅間山、3.大水上山
正解は、本書「備前堀埋没」をご覧ください。
北武蔵利根川右岸一帯を潤し、北武蔵農業の生命線と呼ばれてきた備前堀。江戸幕府が開かれた翌年に伊奈備前守忠次より開発されたこの水路の歴史は、取入口の維持・管理や度重なる工事、嵩む費用と労力など、治水・利水における生命をかけた闘いの歴史であった。本書は、日本の用水史において極めて特異な存在でありながら知られることの少ない備前堀の歴史を、綿密な現地踏査と碑面・碑陰の文字と写真を含む各種資料により明らかにした記録である。農に生き、水と共に生きる人々の歴史が、鮮やかによみがえる一書。

[目次]
はじめに
備前堀の開鑿
一四〇余ヶ村の灌漑用水
万治二年用水組合の分割
備前堀概説史料
伊奈備前守忠次
伊奈氏屋敷跡案内図
伊奈氏屋敷跡の鳥瞰図
埼玉県指定史跡 伊奈氏屋敷跡の立札
伊奈氏居館址碑
埼玉県指定史跡 伊奈氏屋敷跡
裏門跡伝承地と障子堀
川口市指定有形文化財 伊奈家頌徳碑
仁手村武蔵国へ
新編武蔵風土記稿
仁手取入口跡とその付近の推移
備前堀埋没
仁手取入口の閉鎖
仙南堀の代用水
旛羅郡南七ヶ村田枯れる
元口暴鑿事件
元口暴鑿事件の史料
無闇堀
備前堀開復についての申請書
和解なり二重圦樋完成 備前堀復旧
再興に協力した地元仁手村
備前渠再興記
備前渠再興記
備前渠再興記 読み下し文
備前渠再興記碑復刻由来銘
備前渠碑
備前渠碑 読み下し文
吉田市右衛門
宗敏の頌徳碑
三五詠歌の碑
三五詠歌の碑 読み下し文
奈良石の碑
安政元年圦樋尺延願
仁手取入口廃止・ 新渠開鑿事件
沼尻付近に堰を造り 新渠掘割の件
金井元治、荒木翠軒、 尾高藍香
金井元治の碑
金鶴堂金井翁之碑
荒木翠軒の碑
翠軒翁碑 荒木翠軒君墓碑銘
荒木翠軒の碑 読み下し文
尾高藍香
喜七八橋
仁手取入口の移設
備前渠改閘碑記
深谷市指定文化財
備前渠改閘碑記
深谷市指定文化財 備前渠改閘(かいこう)碑記 読み下し文
久々宇(くぐう)取入口の推移
久々宇取入口の移設改良
山王堂取入口 新設及び導水路計画
備前渠堤外導水路に関する計画概要
國 利 茲 興
水 路 改 修
取入口における 利根川・烏川の分流
山王堂取入口の移設
沈 砂 池
備前渠用水改良事業概要(第三樋門)
備前渠用水改良事業 取入水門工事竣功記念
暗渠事業概要(暗渠吐口)
備前渠用水改良工事 竣工記念碑
矢島堰改修工事竣功記念
備前堀用水路の末流
今も県北農業の生命線
山王堂取入口の状況
備前堀の姿 ―写真・資料・史料―
文政九年暴鑿事件の史料
参考文献
増補版によせて
備前堀の歴史概要
世界かんがい施設遺産登録
おわりに
増補版あとがき
著者略歴

[出版社からのコメント]
近年は大雨による川の氾濫が毎年のように発生し、治水の重要性をあらためて感じることが多くなりました。当たり前に水を使うことができる日々の暮らしの向こうには、知恵を絞り苦闘してきた先人たちの歴史があることを、本書を通じて感じていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
茂木 悟(もてぎ さとる)

1938年埼玉県児玉郡仁手(にって)村大字仁手に生まれる。
教職、県立高校勤務
埼玉地理学会会員
北むさし文化会会員
保護司
備前堀桜の会会長
現在 本庄市文化財保護審議会委員
著書に『備前堀と北武蔵』などがある。

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