著者:米原 亮三 など
ページ数:140

¥660¥0

「通訳ガイドが書いた地域の歴史が学べる観光ガイドブック」

 本著は、以下のような読者に読んでいただくために、執筆しました。

①ひとつのところを満足いくまでじっくり楽しむ旅をする方
②歴史ある施設を訪問し、日本人や地域、そして自分たちのルーツや謎を探る方
③食べ物や土産物、ホテルなど、旅の周辺でなく、寺院など、訪問地そのものを知りたい方
④神社仏閣に関し、難しい年号や人名でなく、端的にその本質が知りたい方
⑤清水寺や金閣寺などの著名な観光名所だけでなく、もう少し静かで、歴史があり、魅力的な建築物や庭園なども訪問したい方
 
したがって、執筆にあたっては、以下の3点を特に配慮しました。

1 文化施設そのものの解説
食べ物や土産物、旅館などの文化施設周辺のガイドブックはたくさんありますが、神社仏閣などの文化施設そのものの解説は意外と少ないです。本著では、文化施設そのものの魅力を詳しく紹介します。飲食店や土産物店、パワースポットや縁結びなどの情報は、他のガイドブックや、インターネットの他の観光案内にお任せします。

2 わかりやすい言葉で説明
 「鎌倉時代末期の正和4年(1315年)に大燈国師宗峰妙超禅師が開創。」「勅使門から山門、仏殿、法堂(いずれも重文)、方丈(国宝)と南北に並び、その他いわゆる七堂伽藍が完備する。」「什宝には牧谿筆観音猿鶴図(国宝)、絹本着色大燈国師頂相(国宝)他墨跡多数が残されている。」
 これは、大徳寺がホームページで掲載する「概略・歴史」です。和暦のみでなく、西暦も掲載されているので、まだ読みやすい文章です。しかし、あまりにも漢字が多く、また、専門用語が多く、正直いって、宗教の専門家以外には、わからないことばかりです。
 本著は、主に外国人に日本のことを説明してきたプロのガイドが執筆しました。したがって、一般読者には、「何が分かりにくいのか」、「何が知りたいのか」を踏まえ、専門用語をわかりやすく解説し、文化施設の魅力を引き出します。

3 日本文化の解説
 文化施設は、その施設に関連した日本文化を知ると、さらに興味が深まります。
一例を挙げます。例えば、大徳寺には、以下のような魅力があります。
① 座禅
 禅宗の寺院ですので、その宗派の開祖である栄西(臨済宗)について、わかりやすく解説しています。
② 公案
 同じ禅宗の曹洞宗と比較して、臨済宗は、公案が特色です。公案とは、どのようなものか、例示を挙げながら、わかりやすく説明しています。
③ 一休さん
 大徳寺の代表的な僧侶である一休宋純和尚は、「とんちの一休さん」として、子供のアニメや絵本でも知られています。その一休さんの魅力を十分に紹介しています。
④ 茶人
 大徳寺は、茶道にゆかりの寺です。大徳寺に縁のあった村田珠光、武野紹鴎、千利休、小堀遠州など、日本の茶道を確立した人々をあわせて紹介しています。
⑤ 塔頭(たっちゅう)
 日本の大寺院には、多くの塔頭があります。塔頭とは、ご住職などの研究や修業のために作った子院のことですが、魅力的な施設がたくさんあります。例えば、大徳寺には、高桐院、大仙院、龍源院、瑞峯院などの塔頭があります。妙心寺にも、退蔵院、桂春院、春光院などの塔頭があります。本著では、こうした塔頭なども紹介しているので、より深く、より広く、旅を楽しめます。

今回の書籍は、①東日本・沖縄編、②東京編、③中日本編、④京都編、⑤近畿・岡山編、⑥西日本編の6冊のシリーズから、抜粋して掲載しています。
これらの執筆者は、会員数1,400名の日本最大の全国通訳案内士の団体である特定非営利活動法人日本文化体験交流塾(IJCEE)から選ばれた33名の通訳案内士です。
全国通訳案内士は、国土交通省観光庁の実施する国家試験の合格者で、訪日する外国人に外国語で、神社仏閣や街並み、日本人の暮らしや文化を解説することを職業としています。
 通訳案内士にガイドを依頼する外国人は、社会的な地位が高く、富裕であり、知的関心が高い方が多いといえます。それだけに、全国通訳案内士は、周到な準備調査を行い、かつ年代や人名などの固有名詞だけでなく、より本質的なことを説明することを求められます。
 今回は、全国通訳案内士の中でも、最も実力のある方々に、その得意な分野、精通した地域について、執筆していただきましたので、自信をもってお勧めできます。

特定非営利活動法人日本文化体験交流塾(IJCEE) 理事長 米原亮三

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