著者:関口史郎
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ひとり社長の経営コンサルタントを取り巻く市場環境は、2010年頃と比べて激変しました。

独立した経営コンサルタント(含:中小企業診断士)にとって、「自分の企画」で大金を稼ぐことは以前よりもかなり難しくなり、旧来の「月1回、数時間だけ企業訪問して高額フィーを請求する」というスタイルはマイナー化へ。その一方、「他人の企画」に便乗して働くことに関しては選択肢が増えました。

また、SNSの普及もあり、個人や個人事業主向けに「1対多」のスタイル(高額講座やコンテンツ販売)で大きく稼ぐ人も増えてきました。

このような変化に関して、特に2つの大きな市場の動向に注目すべきです。

■ 注目すべき2つの動向とは?

1つ目の注目は、新しいサービスの台頭です。代表格は公的支援サービス。例えば、タダで何度でもトコトン相談に乗ってくれるよろず支援拠点が2014年にスタート。利用企業数や相談件数は年々増加。コロナの影響もあり、公的支援サービスは、補助金とセットで充実してきました。

また、民間のサービスも激増中です。例えば、1)ランサーズやビザスクのようなスポットで活用できるスキルシェアサービス、2)都会に住む優秀なサラリーマンらを「副業人材」として活用するサービス、3)50~60代の企業退職者を「顧問」や「社外取締役」として紹介してくれるサービス、などがあります。今後、50代のバブル世代の大量(早期)退職が本格化すれば、これらのサービスはさらに勢いづいてくるはず。

このような無料や安価なサービスが増え続け、それらが中小企業の経営者の間に認知され始めると、個人コンサルタントが提供する高価なサービスは、常にそれらと比較されるようになります。個人コンサルンタントにとって、料金面や信用面において不利になるばかりなのです。

もう1つの注目は、市場の成長と共に(市場が)細分化され、専門化が進み、それに伴って分野ごとに専門家が出現してきたこと。例えば、1990年代までなら「マーケティングに精通しています」という自己アピールでも良かったのです。ところが、後に「WEBマーケティング」という新しい分野が大きく成長し、マーケティングそのものが大きく変わりました。

今ではWEBマーケティングの中でも「YouTubeを活用したマーケティング」「FB広告の専門家」というレベルにまで市場(個人の専門分野)の細分化が進んでいます。

とにかく、個人のコンサルタントにとって最も大きく影響したことは何でしょうか?

それは、経営者には今、目的達成のための選択肢が10年前よりも格段に増え、多様なサービスの中から細かな分野ごとに自社にピッタリな専門家を多数の候補者の中から探し出せるようになったことです。だから「個人の経営コンサルタントに支援してもらうこと」は、「助っ人探し」という面において、多数の選択肢の中の一つにすぎなくなったのです

だから、顧客を獲得するための集客方法もかなり変わってきました。10年前に上手くいった(?)やり方はもう時代錯誤かも?

今後は、AIやMR(Mixed Reality)といったテクノロジーが進化してきます。あらゆることがより多様化・複雑化し、経営コンサルタントのあり方もさらに多様化していきます。

■ 独立した経営コンサルタントの本当の姿とは?

ところで、「経営コンサルタント」と聞いて、あなたはどういうイメージを持つでしょうか? 

「経営コンサルタント」と言っても、さまざまな人がいて、しかも多様な使われ方がされています。そんな「経営コンサルタント」ですが、この仕事の実態をどのように伝えるかによって、読み手や聞き手が受け取るイメージは大きく異なります。180度異なります。

別の言い方をすると、宣伝・広告目的のオイシイ話(含:顧客の声)を鵜呑みにしている限り、あなたは現実と大きく乖離した、都合の良い世界を勝手にイメージし、自分の判断を狂わせてしまうことになります。

巷には、やたら虫の良い話で、私たちを「勘違い」「その気に」させようとする輩が多数います。彼らは、1)「年収3,000万円」「1億円!」などと「カネの匂い」で期待感ばかりを大きく刺激する、あるいは、2)「誰でもコンサルで稼げる」「●●をやれば、初年度から1,000万円は稼げるようになる」などと「簡単にできること」を強調してきます。

でも、重要なことは、宣伝話を鵜呑みにするのではなく、「本当はどうなの?」「現実はどうなんだ?」ということを意識し、よく調べ上げた上、実態をよく理解することでは? これが、ご自身のキャリアや事業戦略の判断を下す際に、とても参考になるからです。

今、DXブームということもあり、IT系のようにフリーコンサルタント向けの案件が豊富な分野があります。その一方で、コンサルタントとして起業・開業し、3年もの時間が経過したのに1件の契約すら取れないという人が少なくありません。立派なHPを持っているだけで、コンサル案件どころか、売上につながる依頼(例:セミナー講師の依頼)は1件もない人も。

事実、法人(企業)向けに需要を喚起し、「自分の企画」で稼ぐことは意外と大変です。だから、中小企業診断士らの多くは、単価が低くても公費の力で生み出された需要(補助金絡みの案件)に大きく依存した稼ぎ方を選ぶのです。例えば、ものづくり補助金や(コロナ禍に出てきた)事業再構築補助金などの計画書作成の代行業務です。

中には、「そんな下請け作業は、自分の理想ではない!」「俺はもっと稼げるはずだ!」などと考えているコンサルタントもいます。そのような強気の心構えは立派ですが、虫の良いオイシイ話を鵜呑みにすることは危険です。「●●をやれば…」「成功する」「儲かる」と甘い期待を抱き、自分の判断を狂わせることになります。

市場や競合をよく理解することもなく、独りよがりな発想で突き進んでしまうと、3年、5年、10年と時間が経過しても試行錯誤。いつまでも「迷える子羊」のまま。これでは、あなたのキャリアどころか人生までを狂わせてしまいます。

■ 必死になって検討すべきことは?

このような事態を避けるためにも、より広い視点から自分(の事業)について検討することが必要ではないでしょうか? 市場(顧客)の実態、競合のサービスなどについて深く理解した上、「より広い視点から判断を下す」べきなのです。

「自分は、どの領域で、どのように勝負すれば、勝てるのか?」「大企業出身の看板は、中小企業向けのコンサルにどう影響するのか? プラス、それともマイナスか?」「どうすれば有利に展開できるのか?」などと。こういうことを必死になって検討した上、事業を展開しない限り、先に述べた(公的および民間の)低額なサービスと「同じ土俵」の上で比較されて、事業機会を根こそぎ奪われてしまいます。

本書は、このような背景や激変している市場環境を踏まえた上で、「今後、独立したコンサルタントとして何をするべきか?」という点に注目しました。

まさに『ひとり社長の経営コンサルタントとして補助金ビジネスに頼らず集客する 』『アフターコロナ時代の顧客開拓』ということなのです。

【目次】

はじめに 
~ひとり社長のコンサルタントが抱えている大きな問題とは?~

第1章:独立後のコンサルタントとしての働き方・稼ぎ方
1.働き方・稼ぎ方のポイントは?
2.ひとり社長の経営コンサルタントの働き方
3.多様化するコンサルタントのビジネスモデル
4.うまくいかない人の特徴とは?

第2章:大変、コロナで市場が激変か?
1.市場環境は激変した?
2.ひとり社長の経営コンサルタントの主たる競合や脅威とは?
3.ひとりコンサルタントだからこそ認識すべきこと

第3章:コンサルタントの苦労・挫折とチャンス
1.独立後、いつ、どこで、つまずきやすいか?
2.チャンスを見つけ、生き残り、躍進するためにやるべきことは?
3.個人狙いvs.法人狙い、補助金ビジネスvs.一般ビジネス

第4章:ひとり社長の経営コンサルタントの集客作戦
1.集客する上で重要なキーワード
2.集客のポイントは大きく2つ?
3.ひとり社長のコンサルタントとして提供できるサービスのあれこれ
4.広告は出すべきか?

第5章:あなたにとってベストな集客方法を見つけよう
1.集客方法1:狙いを定める○○釣り
2.集客方法2:投網を打つようにする
3.集客方法3:○○に乗る
4.集客方法4:中小企業診断士に見られる方法
5.集客方法5:サンリオと同じようなやり方

おわりに 
 ~結局のところ、あなたは何をするべきか?~
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