著者:依田 早苗
ページ数:57

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キャリア転換 失敗の貯蓄が、成功のカギ。

独立した個々の「点」と「点」が「線」で繋がり、
やがて自分らしいキャリアとしてキャンバスに描かれる

目次
はじめに
プロローグ
第1章 自己の強みとなるスキルを「貯蓄」する
第2章 ほんの少しの勇気と「行動力」が未来を変える
第3章 自身の可能性を広げる「取捨選択」
第4章 過去や常識に「とらわれない」
第5章 失敗の貯蓄が、成功のカギとなる
エピローグ
おわりに

著者
依田 早苗
1972年、兵庫県生まれ。30年のキャリアにおいて国内外8つの企業や職場で様々な職種を経験し、現在は、米系再保険会社、戦略マーケティング部門にてマーケティング・コミュニケーション&イベントプランニングの責任者を務めている。

経歴
1992~1992  県議会事務局/局長秘書
1992~1994  総合商社/営業アシスタント
1994~1996  小売業/販売
1996~2000  三井海上火災保険(香港)/損保 法人営業
2000~2002  大和証券SMBC(香港)/証券 フロント・ミドルオフィス
2004~2009  ゴールドマン・サックス証券/投資銀行 秘書(派遣社員)
2009~2013  三井生命保険/生保 営業
2013~ 現在   RGAリインシュアランスカンパニー/再保険 社長秘書・広報・マーケティング

はじめに
あなたには「なりたい自分」がいますか?
自分が何を望んでいるのかわからないのに、チャンスがなかったなどと言ってはいけないと、私は思っています。「チャンスがなかった」と不平、不満、愚痴を言う人は、たいてい自分の失敗や行動をしなかったことに言い訳を用意しています。そのような人は「自分に落ち度はまったくない」と考え「自分は運命の犠牲者だ」「環境が悪い」「十分な教育が受けられなかった」などと言い訳をし、諸々の要因が自分を不利な立場に追いやったと思っているものです。よく考えてみれば「なぜ自分は挑戦しなかったのか」「なぜ途中で諦めてしまったのか」、必ず理由が見つかります。
成功者は決して言い訳をしません。自分の行動に責任を持ち、目標を設定し、それを達成するまでの責任を負います。他の人たちが絶望を感じるところにも彼らは希望を見出します。また、成功者は「積極的心構えがあれば不可能なことなど何もない」と固く信じ、どんな状況に対しても熱意をもって臨みます。

本著は、これからの人生において「キャリア形成」を目指す若い女性の皆さんへ向けたメッセージとして、私が自身の経験から得た学びをシェアすることを目的に書き記すものです。私には、人に誇れるような学歴はありません。恵まれたバックボーンを持たないシングルマザーです。10代20代の頃に思い描いていた未来とはまるで違う人生を生きています。それでも人並み以上に幅広い経験をし、自分らしいキャリアを歩んで来ることができたという自負があるのは、とても幸せなことだと思っています。その過程において、私が最も大切にしてきたのは経験への投資です。やりたいこと、やるべきことを先延ばしにするのではなく、今しかできない経験を得ることにフォーカスすることで、様々な可能性が広がりました。「時間がないから」「お金がないから」と言い訳をして機会を後回しにすると、その機会は一生巡ってこないかもしれません。少しくらいリスクをとっても、今得られる経験は今得るべきだというのが私の揺るぎない信念です。

そんな私が、どのようにして自分のキャリアをデザインしてきたのか。どのようにして自分の人生をデザインしたのか。人生を好転させるために、何か特別で魔法のような処方箋があるわけではありませんが「ほんの少しの勇気」を手に、小さな「行動」を積み重ねていくことで、誰の目の前にも扉が開かれることを知ってもらえたら、そんな想いで言葉を綴ってみることにしました。
どんな失敗も、遠回りも、すべて自分の幅を広げてくれる貴重な経験として財産になることを知った今なら、自信をもって言えることがあります。

大切なのは、何を経験するかではなく、その経験から何を得るか。
何を選択するかではなく、選択した「今」をどう生きるか。

「なりたい自分」にたどり着く道は一本ではありません。
何も特別なことではないかもしれませんが、私のリアルな経験から得たキャリア転換のノウハウが、1人でも多くの働く女性に勇気を与えられたら嬉しく思います。

プロローグ
リストラを経験したのは、2008年8月に離婚が成立して住んでいたマンションを引き払い、すぐ傍の公団へ引っ越した直後のことでした。当時、私は派遣社員の秘書として外資系投資銀行に勤めていたのですが、同年9月「リーマンショック」を発端にリストラの嵐が巻き起こり、翌年の春先に殆どの派遣社員が一斉解雇となりました。離婚直後のリストラとは、なかなかドラマチックな展開です。望めば関西の実家へ戻ることも出来たのですが、離婚した時に敢えて東京に残ることを選択し、自力で娘を育てることを決めていたので、ともかく前に進むしかないと自らを鼓舞しました。心の中では「はて、さてどうしたものか……」とため息交じりに呟きながら。
社会に出て30年近くが経った今、自身の人生を振り返ってみると数多くの転機があり、良くも悪くも盛りだくさんで面白い人生だなあと思います。それらの転機は、自ら選んだものや望んだものばかりでなく、否が応でも選択しなければならなかったものもありましたし、その度に思いもよらぬ展開が待ち受けていました。自ら好んでスリリングな崖っぷちを歩くような、そんな話のネタには事欠かない人生。ここには書けないような恥ずかしい失敗もたくさんあります。先の見えない迷子状態、妊娠、結婚、出産、離婚、シングルマザーとして再出発。ジェットコースターに乗っているような、ちょっとした波乱万丈な人生です。

以前は、私がこれまでのキャリアにおいて得た個々の経験は、それぞれが独立した「点」だと思っていました。ところが、ある時ふと振り返ってみると、いつの間にかそれぞれの「点」と「点」が「線」で繋がり、自分らしいキャリアとして描かれていたことに気づき驚きました。私は、それを運がもたらした偶然だと思っていましたが、どうやら単なる運や偶然ではなかったようです。
「自分自身の手でキャリアをデザインする」とは、必ずしも思い描いた通りのキャリアを歩むことではありません。「正解がない」先の見えない時代において、計画通りの人生を歩むことなど、もはや何の意味も持ちません。約束された未来などどこにもないのです。誰しも当たり前のように、ジョブチェンジする時代です。とりわけ社会やビジネスにおいて将来の予測が困難な時代に求められるのは「適応力」。時代の変化、環境の変化に合わせて柔軟に対応し、キャリアを転換していくことで自分らしいキャリアを確立していくことこそが、キャリアをデザインし得るチカラなのだと思います。
キャリアを転換できる人とできない人には、どんな違いがあるのでしょうか。能力の差でしょうか。努力した量の違いでしょうか。自己肯定感の差でしょうか。もちろん、能力があるのに越したことはないですし、努力することも必要です。自信のない人が結果を出すことは至難の業でしょう。そういう意味において、自己肯定感はとても大切だと思います。ですが、それ以上に重要なのは「自分のリアリティ」を変えること。つまり、その結果を出すことを「当たり前」に思えてくるような状況に自分をもっていけるかどうか、若しくは、そういう環境に身を置くことができるかどうかの違いです。これはキャリアに限ったことではなく、夢や目標を達成する上でとても重要なことだと思います。

It is never too late to become what you might have been.
なりたかった自分になるのに、遅すぎるということはない

英国の女流作家、ジョージ・エリオットの名言で、私が大好きな言葉です。
何かにチャレンジしようとしたとき、年齢が自分にブレーキをかけることがあるでしょう。そんな時、私はこの言葉を思い出し、よほど大きなリスクを伴うことでなければ、勇気を持って、とりあえずやってみようと自分の背中を押してみます。
「やらずに後悔するより、やって失敗した方が得るものは大きい」そんなスタンスで生きてきたことが、たくさんの素敵なご縁とチャンス、運を引き寄せてくれました。加えて「諦めの悪さ」も運を手繰り寄せることにひと役買ってきたのかもしれません。

もしも今、あなたが思い描いていた未来とはまるで違う現実を生きているとしても、明るい未来が想像できないとしても、どうか「なりたい自分」になることを諦めないでください。

「自分のリアリティ」を変えていくことができれば、必ず道は拓かれます。

さあ、「なりたい自分」になりましょう。

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