著者:Pearbook編集部
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本書は、「不思議の国のアリス』の著者であるかのルイス・キャロルが19世紀後期に撮影した写真を、ディープラーニングによりフルカラー化した写真集です。ディープラーニングには、可能な限り実際の色を再現できるよう50万枚の画像データを学習させています。着色の自動処理には、学習データからディープラーニングが手軽にできると話題の「keras」を使用しています。

ルイス・キャロル(本名:チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン)は、1832年にイギリスで生まれました。現代では小説家として有名なルイスですが、もともと彼は数学や芸術に才能を発揮した人物です。オックスフォード大学最大かつ裕福なクライストチャーチ・カレッジに通い、1854年、22歳のときに、最優秀の成績で卒業します。その後、そのままクライストチャーチ・カレッジ数学講師として26年間仕事を続けることになります。

数学講師となってすぐの1856年3月、ルイスは学友とともに、当時最先端技術であったカメラを入手します。これは、1851年に発明されたばかりの写真湿板と呼ばれる撮影法を用いたカメラでした。ルイスはこの後、自身で写真館をもつほどまでにカメラにのめりこむことになります。

「不思議の国のアリス」のモデルとなったアリス・リデルとの出会いも、このカメラが縁となっています。1956年、アリスの父がオックスフォード大学クライストチャーチ・ カレッジで働くこととなったことで、リデル家族は学寮に住むこととなりました。そして、1956年4月26日、ルイスが始めたばかりのカメラで大聖堂を撮影しようとしていた際に、リデル家族と知り合ったそうです。その後、ルイスはリデル家族と親密になり、子どもたちとよくボート遊びを楽しみました。このときに、子どもたちに即興で創作して聞かせた物語が、「不思議の国のアリス』のもととなったそうです。

ルイスは1880年にぱたりと写真を辞めるまでに、3000枚以上の写真を撮影していました。後の芸術写真に影響を与えた、一人の写真家でもあったのです。ルイスの撮影した写真の約半数は、少女をモデルとしたものと言われています。そこで、本書には「不思議の国のアリス』のモデルとなった少女の写真をメインに、ルイスが好んで被写体として選んだ少女たちの写真も掲載しました。モノクロ写真のカラー化によって、ルイスの見た少女たちに、私たちもよりリアルに出会うことができます。ルイスのように創作のインスピレーションが生まれるかもしれません。

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