著者:古川 康彦
ページ数:170

¥287¥0

事故処理を3,000件以上経験した著者が、交通事故過失割合の基礎知識を解説

本書は四輪自動車同士の交差点での直進車と右折車の過失割合を解説しています。
「右折」といっても対向車線から右折する場合もあれば、道路の右側や左側から右折してくる場合もあります。また、対向車線からの右折でも信号のある場合や信号のない場合、信号がある場合でも信号の色によってさまざまな過失割合が考えられます。

そこで、交差点での四輪車同士の直進対右折の過失割合21パターンをできるだけ分かりやすく解説しました。

本書のベースとなっているのが「別冊 判例タイムズ16号」(東京地裁民事交通訴訟研究会 編)(判例タイムズ社)です。

実はこの「別冊 判例タイムズ16号」、ほとんどの保険会社の事故担当者が交通事故の過失割合を判断するバイブルとして使っていますが、残念ながら本屋さんでは手に入らない希少本です(試しにamazonで「別冊判例タイムズ16号」と検索してみてください)。

この判例タイムズのおかげで交通事故の裁判が少なくなった反面、保険会社は判例タイムズの基本理念を無視して、与えられた選択肢のなかでしか過失割合を決めることができないようにしているのが現状です。

そこで、判例タイムズの内容をできるだけ多くの人に見ていただき、保険会社の一方的な言葉に惑わされることなく、あなた自身で過失割合を判断していただければと思い本書を執筆しました。

事故は現場で起こっています。
事故は千差万別です。

保険会社への伝え方によっては、過失割合の立場が逆転することもあります。

本書で、保険会社との交渉を有利にする判断材料を知っていただければ幸いです。

本書の特徴として、スマホでも見やすいように、参照を少なくして一話完結で解説してあります。また目次とは別に状況図付きの目次も用意しあります。

目次

状況図付目次
はじめに
1.保険会社は判例タイムズの使い方を間違っている
2.具体的にどういう過失があるのか答えられない保険会社
3.その他
第0章 交差点における右折車と直進車の事故 総論
第1章 同一道路を対抗方向から進入した場合
1.信号機により交通整理の行われている交差点における事故
・信号機により交通整理の行われていない交差点とは?
・では信号機による交通整理の行われている交差点とは?
1-(1)直進車・右折車ともに青信号で進入した場合(60)
1-(2)直進車が黄信号で進入し、右折車が青信号で進入した後、黄信号で右折した場合(61)
1-(3)直進車・右折車とも黄信号で進入した場合(62)
1-(4)直進車・右折車とも赤信号で進入した場合(63)
1-(5)直進車が赤信号で進入し、右折車が青信号で進入した後、赤信号で右折した場合(64)
1-(6)直進車が赤信号で進入し、右折車が黄信号で進入した後、赤信号で右折した場合(65)
1-(7)直進車が赤信号で進入し、右折車が青矢印による右折可の信号で進入した場合(66)
2.信号機のない交差点での直進車と対抗右折車との事故(67)
第2章 左又は右方向から右折車が交差点に進入した場合
1.信号機のある交差点で右折車が左または右から交差点に進入した場合
1-(1)直進車が青で右折車側の信号が赤の場合(51‘)
1-(2)直進車が黄で右折車側の信号が赤の場合(52‘)
1-(3)直進車・右折車とも赤信号の場合(53‘)
2.信号機により交通整理の行われていない交差点で道幅が同じ場合
(1)別冊判例タイムズ16号が予定している状況
(2)左右の見とおしがきかない交差点とは
(3)見とおしがきかない交差点での注意義務
2-(1)右折車が直進車からみて左側から進入してきた場合(68)
2-(2)右折車が直進車からみて右側から進入してきた場合(69)
3.信号機により交通整理の行われていない交差点で一方が明らかに広い道路である場合
(1)明らかに広い道路(広路)とは
(2)「明らかに広い」とは
(3)両者の注意義務は
3-(1)右折車が狭路から広路に出る場合(70)
3-(2)右折車が広路から直進車の進入してきた狭路に入る場合(71)
3-(3)右折車が広路から直進車の向かう狭路に入る場合(72)
4.一方に一時停止の規制がある場合
(1)一時停止義務違反とは
(2)正しい一時停止の方法
(3)注意点
4-(1)右折車に一時停止義務違反がある場合(73)
4-(2)直進車に一時停止義務違反があり、右折車が直進車からみて左側である場合(74)
4-(3)直進車に一時停止義務違反があり、右折車が直進車からみて右側である場合(75)
5.一方が優先道路である場合
(1)優先道路とは
(2)保険会社に報告するときの注意点
5-(1)右折車が非優先道路から優先道路に出る場合(76)
5-(2)右折車が優先道路から直進車の進入してきた非優先道路に入る場合(77)
5-(3)右折車が優先道路から直進車の向かう非優先道路に入る場合(78)
第3章 保険会社とうまく交渉するには?
1.こっちの保険会社でも0:100を認めないワケ
(1)相手の過失が明らかに100%のとき
(2)こちらが極端に過失が少ない時
(3)弁護士法違反
(4)弁護士費用特約を利用する
2.過失があれば代車は認めないという「保険業界の常識」のウソ
1.「100:0(ひゃくぜろ)の事故じゃないと代車はでないんです。」
2.ではどうしたらよいだろうか?
3.裁判でみとめられた代車例
第4章 最後に

著者プロフィール
1980年中央大学法学部法律学科卒
大手保険代理店に勤務して33年。取り扱った事故の件数は3,000件以上。
港で荷役作業中に船を沈没させて4億2537万円・ロケットの一部を壊して1億7千万円・水災で水浸しになった倉庫の貨物を5,963万円・タンクローリーが間違って灯油タンクにガソリンを入れて4,373万円・・・「裏技」を使って保険会社から保険金を引き出してきた。

取り扱った事故のなかで圧倒的に多いのが「交通事故」2,000件以上。

死亡事故を起こした契約者と一緒に通夜の席に行って、土下座してもご焼香もさせてもらえず遺族から塩を投げつけられたこと・物損事故がなかなか解決しなくて契約者からから訴えられたこと・反社会的勢力の事務所に示談交渉にいって拘束されたこと・示談書を取り付けに沖縄までいって拷問のように泡盛を飲ませられて救急車で搬送されたこと・・
今となってはいい思い出です…

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