著者:阿澄思惟
ページ数:306
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その忌まわしさゆえに存在を葬られ、封印された事件。神隠し、呪詛、幽霊屋敷、心霊ビデオ・・・。本書では、著者が2006年から2012年までの間に収集した、それらの記録を公開する。「みさき」一九九二年七月七日、一人の少女が失踪した。少女の名は吉野美咲。彼女は周囲を濠に囲まれた神社から、両親が目を離したほんのわずかな時間に忽然と姿を消した。これは事件なのか、事故なのか、それとも人知を超えた力によるものなのか。警察による懸命の捜索も空しく、何ひとつ手がかりのないまま時間だけが流れていく中、両親は藁にも縋る思いで霊媒師の協力を仰ぎ、交霊会の場で娘との交信を試みる。だが、それはこれから始まる恐ろしい出来事の、ほんの始まりに過ぎなかった・・・。「光子菩薩」ある旧家で発見された、一通の書簡。そこには、”谷中の眼球くりぬき魔”こと満田敏夫の所持品から見つかった、光子菩薩という奇怪な仏が描かれた護符と、それにまつわる世にもおぞましい事件についての顛末が書かれていた。光子菩薩の護符を目にした人間は、わずか数日のうちに急速に認知能力を失い、最後には回復の見込みのない昏睡状態に陥るのだという。これは護符の呪いなのか? そして、護符と眼球くりぬき魔との関係は? 記述者である「私」は、その謎を解明するべく、恐るべき非人道的実験に手を染めていく・・・。「忌避(仮)」某出版社の倉庫に眠っていた、一枚のフロッピーディスク。ラベルに「忌避(仮)」と書かれたその中には、取材先の土地で失踪したライターが残した記事の草稿が収められていた。彼が取材していたもの、それは二〇〇一年に沖縄県糸満市で起きた、幽霊屋敷にまつわる事件だった。改装された古民家で次々と起こる怪現象は、聖域を侵した祟りなのか。激しい嵐のさなかに行われた降霊会で、逃げ場のない一家の前に、彼らを襲う怪異がついにその正体を現す・・・。「綾のーと。」インターネット上には、更新が止まったまま放置された廃墟のようなブログがいくつも存在する。ここに紹介するのはその中の一つ、ある女性が関東某所に実在する幽霊マンションで過ごした、三ヶ月間の出来事を記録したものである。はたして幽霊の実在は証明できるのか。彼女は友人と協力して部屋にウェブカメラを設置し、心霊現象の証拠を押さえるため、無人の部屋を録画するが・・・。※ 本書は、著者が収集した事件の記録資料を、権利者の許可を得て公開するものです。 文章中には一部、誤字や脱字、意味をなさない文字の羅列、社会通念上不適切な表現などが含まれますが、引用元の資料的価値を鑑み、原文のまま収録しました。 また、画像資料の可読性には十分配慮しておりますが、著者が電子データの形でしか保有していない資料についてはその限りではないことを、あらかじめご了承ください。
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