著者:伊藤 潔人
¥1,080¥0

# はじめに(抜粋) ####

本書は、Wordマクロも自分で作れるようになりたい、Excel VBAの経験がある方を対象としたWord VBAの入門書です。

Word VBAのオブジェクトモデルの基本を、早く理解したいという方に役立つことを目指しています。サンプルコードをコピー&ペーストしたいだけの方には、役立たないはずですのでご注意ください。

### 対象とする読者

Excelマクロをちょっと書いたことがある、というレベルの方は対象としていません(ごめんなさい)。オブジェクトブラウザーの使い方をご存知であることを前提としています。

オブジェクトブラウザーの基本的な使い方は、Excelの場合と同じですから、本書では解説していません。オブジェクトブラウザーの使い方を知りたい方は、拙著『いちばんやさしいPowerPoint VBAの教本』の「Chapter 2 オブジェクト操作の基本を確認しよう」等を参照してください。

また、Word文書での段落と改行の違い、テンプレートの基本的な役割、スタイルの基本についても理解していることを前提としています。

### 本書の役割

Wordに関わる作業も、Excelと同様にVBAを使って効率化が図れます。

Word VBAの入門書も、過去にいくつか出版されています。

しかし、Word VBAに用意されている大量のオブジェクトが、どのような階層構造になっていて、それぞれがどのような役割を担っているのか、その概要を早く理解するのに向いている書籍を、私は知りません。

Excel VBAにたくさんのオブジェクトが含まれているのと同様、Word VBAにもオブジェクトが大量に存在します。Wordマクロを自分で作る場合、Word VBAの基本的なオブジェクトについて、理解していなければなりません。

そのようなWord VBAのオブジェクトモデルの、基礎理解のお手伝いをするのが、本書です。

### リファレンスではありません

本書は、多くのオブジェクト・プロパティ・メソッドの紹介を目的としていません。

基本となるオブジェクトについて、皆さんが少しでも早く概要を理解できることを目指しています。そのため、紹介するプロパティ・メソッドは、オブジェクトの特徴をよく表しているものに絞っています。

本書(1)は、「Document・Range・Selectionの基本編」と名付けているとおり、Word VBAのもっとも重要なオブジェクトであるDocument・Range・Selectionの基本と、関連するいくつかのオブジェクトについて解説していきます。

Word VBAの基礎を理解するために本書(1)では、文字列のみで構成されているWord文書の、本文部分のみを操作対象としています。

### 本書で扱っていない項目

本書では以下のような項目は扱っていません。

+ 表の操作
+ ヘッダー・フッターなど本文ではない部分の操作
+ 図形の操作
+ 検索・置換
+ テンプレートファイルへのコードの保存

### Wordのバージョン

Windows 10上で稼働する、2021年2月現在の最新版Wordを対象として記述しています。

ただし、本書で解説しているのはWord VBAのオブジェクトモデルの基本ですから、Windows版のWord 2010以降であれば、大きな違いはありません。

# 目次 ####

chapter 0. はじめに

chapter 1. Excel VBAとWord VBAの違い
1-1. VBAやVBEは同じ
1-2. Excel VBAとWord VBAでは操作するオブジェクトが全く異なる
1-3. Excel VBAユーザーがWord VBAで注意すべき点
1-4. Word VBAのほうが優れている点

chapter 2. Documentは文書を表す
2-1. ActiveDocumentでアクティブ文書を取得する
2-2. 単なるデータを返すDocumentの特徴的なプロパティ
2-3. Documentをローカルウィンドウで確認しよう
2-4. Documentの特徴的なメソッド
2-5. DocumentsはDocumentのコレクション
2-6. Documents.ItemでDocumentを取得する
2-7. Add・OpenメソッドはDocumentsが持つ

chapter 3. WordのRangeは文字列範囲を表す
3-1. Document下の構造はExcelと異なる
3-2. Document.RangeメソッドでRangeを取得する
3-3. Rangeの特徴的なメソッド
3-4. Rangeの特徴的なプロパティ
3-5. Rangeをローカルウィドウで確認しよう
3-6. Characters経由でRangeを取得する
3-7. Words経由でRangeを取得する
3-8. Sentences経由でRangeを取得する
3-9. Rangeプロパティを持つオブジェクトがたくさんある

chapter 4. FontはExcelより多機能
4-1. WordのFontはExcelのFontより多機能
4-2. Fontの特徴的なプロパティ
4-3. WordのFontはメソッドも持つ
4-4. Fontをローカルウィンドウで確認しよう
4-5. WordではFontプロパティで設定もできる

chapter 5. ParagraphFormatは段落書式を表す
5-1. ParagraphFormatの特徴的なプロパティ
5-2. ParagraphFormatの特徴的なメソッド
5-3. ParagraphFormatをローカルウィドウで確認しよう
5-4. ParagraphFormatで設定もできる

chapter 6. Paragraphは段落を表す
6-1. Paragraphsを取得する
6-2. ParagraphsからParagraphを取得する
6-3. ParagrahpにSelectメソッドやTextプロパティはない
6-4. ParagraphはParagraphFormatと同じメソッド・プロパティを持つ
6-5. ParagraphFormatにないPagraphのメソッド・プロパティ
6-6. Paragraph.Formatの謎
6-7. ParagraphsはParagraphと同じメソッド・プロパティを多く持つ

chapter 7. WordにはSelectionオブジェクトがある
7-1. Selectionオブジェクトとは
7-2. SelectionはDocument-Rangeとは別系統の階層
7-3. 単なるデータを返すSelectionの特徴的なプロパティ
7-4. オブジェクトを返すSelectionの特徴的なプロパティ
7-5. Selectionの特徴的なメソッド
7-6. カーソル位置や選択範囲を変更するメソッド
7-7. カーソルを移動してRangeを返すメソッド
7-8. RangeとSelectionは機能面で似ている

chapter 8. ページを扱うには
8-1. アクティブページを表すRangeを取得する
8-2. ページごとに処理を繰り返すには

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