著者:青木 雄二
ページ数:94

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<本文より>
僕は本当に無知な人が社会の仕組みを知り、少しでもそれに抗うような行動をとらなければいけないと本気で思っている。僕がそんないらん心配をする必要はないのかもしれない。しかし、これは性分なのや。僕は、自分の国をここまでひどいものにした不正義を許すつもりはないのです。自分たちの世代は、どうなろうと構いません。しかし自分たちより下の世代で、少しでもがんばっている健気なやつを見たら、力を貸してやろうと思いませんか。かつて僕が信じるにたる大人は必ずいると思ってきたように、どこかに支えを必要としている人間がいるかもしれないと思うと、年をとったなどとのんきなことは言っておれません。

ことに、僕は今、ガンを患っております。余命は三か月と言われました。唯物論者ゆえ、僕は死ぬことなど怖くありません。死ぬ気も一切ありません。僕は天国も地獄も関係ない立場にいますが、キミらはなんかせなんだら、それこそ生き地獄になるんやで。このままでは日本は終わりやで。

<目次>
●日本へ
なんで日本は借金大国になったんや
日本の元凶は大人のいい加減さや
●サラリーマンへ
バブル入社組もいまや中堅サラリーマンや
無難に仕事をこなしていくのも一つの手や、など
●若者へ
ずる賢い大人たちにだまされるなや
「自分の行動に責任を持て」とはこういうことや、など
●漫画へ
社会の矛盾を描いてみたかったんや
もう一度漫画を描いてみたいんや、など
●銭について
本当に怖いのは心の貧困や
金は使うために存在するんや、など
●マルクスについて
真の社会主義は資本主義から生まれるんや
社会の主人公は金やなく人間なんや、など
●家族へ
見合いだけで三十回はしたんや
生まれてはじめて一人でないと思えたんや
息子よ、他人を喜ばす人間になるんや

※本書は2003年発売『僕が最後に言い残したかったこと』(小学館)より、青木プロダクションが再構成・修正したものです。

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