著者:一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム『データマネジメントの基礎と価値』研究会
ページ数:67

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インターネットの普及やデバイスの多様化等により、ITが我々のビジネス、さらには日常生活の隅々にまで浸透した昨今、様々なシーンにおける顧客行動が『データ』で把握できるようになっている。その『データ』を的確に捉え、他社に先んじてビジネスに活用していくこと-すなわち、データマネジメントがエンタープライズ の競争力を左右するといっても過言でない。同時に、リーマン・ショックや東日本大震災、タイの大洪水などに起因する急激な市場環境や需給の変動に対応するためには、国境や組織を超えた自社のサプライチェーン全体のエコシステムの動き(=データ)を把握し、マネジメントすることがかつてないほど求められている。
一方で、これまで個別業務部門の効率化が優先され、そのためのツールとして部分最適なシステムが導入されてきた。個々のシステム稼働は問題無いが、経営者や利用者目線で活用するためのデータが企業内に充分存在しているとはいえない。メインフレームからC/S、インターネットとITの進化につれ、データは大量化かつ分散化を進め、様々なシステムに散在するデータのどれが原本か明らかでない。アプリケーション開発プロセスの標準化は進んできたものの、『データの中身』に対する問題の多くは未着手であり、データ品質に責任をもつ組織も明らかでない。

こうした現状を鑑みると、データマネジメントの実践・定着化に対して多くの日本企業は大きなギャップを抱えている現実があるのではないか。(社)日本データマネジメント・コンソーシアム[JDMC]が提示している「データマネジメント構成要素」を俯瞰すると一目瞭然だが、データマネジメントの戦略策定・評価から、それを担う組織・体制やオーナーシップの明確化、制度・ルールの整備など、一過性のプロジェクトではなく、組織的なプログラムとして、データマネジメントの取組みを継続していく道程は決して一筋縄ではいかない。
一方で、企業がデータマネジメントへの取り組みに着手できない原因のひとつとして、我々は“では、どうやって実践・定着化に取り組めば良いのか?”という具体的事例が体系的にまとめられた『参考書』が存在しないことではないか、と考えた。本書の主人公である「あなた」が感じたように、『自社のデータマネジメントに何がしかの問題があることは感じているが、それにどう立ち向かっていけば良いのか、何からどう始めたら良いのかわからない』というユーザ企業の方が多いのではないか。

本データマネジメント・ケーススタディ(以下、「ケーススタディ」という)は、特定のビジネス課題を解決するために実際に行われた取り組み事例、ならびに執筆メンバーの経験・知見に基づいて作成されている。データマネジメント(以下、「DM」という)に係る課題を解決したいと考えている「当事者」に対して、様々な状況におけるDMの実践内容や段取り、ティップス・工夫などの情報を提供することを通じてDMへの「はじめの一歩」を踏み出すイメージを持っていただき、ご自身の課題に対する解決策を導き出すためのヒントとして活用していただくことを目的としている。
本ケーススタディが、これからDMに取り組む「あなた」にとって少しでもお役に立つものであることを祈るとともに、DM実践の上での「武器」としてご活用いただければ幸甚である。

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