著者:永井隆雄
ページ数:44
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-驕れる早慶、久しからずや!
1活躍する明治大学の卒業生
2明治大学が注目される、これだけの理由
3旧制にあった文武両道、今の国立大にはそれがない
4お受験で小粒化した有名大学の学生
5明治大学成立の歴史と発展
<本書一部抜粋>
明治大学の卒業生というと、かつては冒険家の植村直己が代表的だった。1970年代頃、日本中がプロレスやボクシング、ブルース・リーのカンフーなどアクションに釘付けになった時代、成し遂げても誰かに打ち勝つということのない、とんでもないことを計画し、次々と成し遂げ、日本中を瞠目させたのが植村だった。
日本人なのに野趣あふれた風貌は人種も不詳に見え、無骨で寡黙、北極やヒマラヤで雪焼けし、真っ赤な顔をし、まるで野人のようで、しかし、繊細で恥じらいのある人柄が雰囲気からうかがえた。前人未到のプロジェクトを一人で立案し、次々とその目標を成し遂げていったが、インタビューされてもいつも一言二言、多くを語ることはなく、まして大言壮語することはなく、とつとつとして、自らの快挙について胸を張って見せるということもなかった。そして、最後は、エベレストの厳寒の深い雪山の中に消え去った。いかにも植村らしい最期だと妻も悲しみを見せることなく、笑顔で見送った。
学会参加で明治大学を訪問した際に、関係者といろいろと大学のことを話したが、当時、植村直己を明治のイメージキャラクターにしているということでポスターを見た。そもそも冒険家など職業ではないし、スポーツの競技でもない。にわかには信じがたい快挙を成し遂げても報奨金が出るわけでもないし、その過酷さは取っ組んだ本人にしかわからない。しかも、植村はある時期以降、一人での冒険の敢行にこだわったので、何のバックアップもない。言うなれば、映画のランボーみたいに、命綱なしに、数百メートルの断崖絶壁をよじ登るようなことを、日常的に繰り返しているわけで、毎日が生死の境い目を突き抜けるものだったと言っていい・・・・・
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