著者:阿部 幹雄
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高所登山の劇的な遭難の実態と、遺族を丹念に訪ねる追悼の旅を対照的に描く。
ミニャ・コンガをめぐる登山と遭難の歴史の不思議性も浮き彫りとなる長編ノンフィクション。
「魔性の棲む山」ミニャ・コンガに逝った仲間たちへの鎮魂の物語。

1981年5月10日、北海道山岳連盟隊の第1次アタック隊員は、北東稜からの初登頂を目指したものの、7450メートル付近で1人が滑落、急遽、登山は中止された。
その下山途中、1本のザイルにつながったまま7人が滑落、目前から忽然と消えてしまった。
著者は、たまたまそのザイルには加わっていなかったが、自らもクレバスに落ち、死を覚悟したものの、かろうじて生還する。

それから13年後、同じミャ・コンガで今度は、著者の友人が彼らの4遺体を氷河で発見するが、その友人たちもまた登山中に消息を絶ち、氷河に消えてしまう。

遺体捜索から遺体の収容、そして慰霊に至るまで、「魔の山」といわれたミニャ・コンガを舞台に運命の糸が複雑に錯綜する。
生を知り死を悟ったミニャ・コンガ運命の20年を、自らの体験を元に綴られた長編のノンフィクション。

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