著者:斉藤 忠
ページ数:284
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【概要】
1)一個の人間イエスが、どのような経過を辿って、救世主、神の子、神ヤハウェそのもの、果てには宇宙の支配者へと上り詰めるまでに、唱えられたさまざまな諸説から始まって…
2)教会全盛の世にさまざまな異説が唱えられましたが、正統教義も含め、主要な物すべてを拾って紹介。イエスを難じる諸説は誰もが初耳で、刮目することことでしょう。あるいは歴史の片隅に秘された驚くべき古代から伝えられた伝承に至るまで。
3)避けて通れないのが、妻ではと囁かれるマグダラのマリアと裏切り者ユダの問題。近年発見された3世紀のコプト語写本「ユダの福音書」など、話題のものも漏れなく。
※ 本作は、旧題「イエス・キリストの正体 100の謎」を改題したものです。
【特徴】
①.イエス、及びキリスト教の基礎が学べる、学生さんなどに打ってつけの入門教科書。
通学・通勤や空き時間に通読できる読みやすさ。
②.キリスト教の成立を、相対立する諸派、あるいは教会内での相対立する論陣を端的に紹介し、
それぞれがそれ自身にとっての合理性でどう自身の教義を唱えたのか、そしてどう論争され、異端とされて、収束していったのかについても、クリスチャン学者ではない論点で、かつそれと異なる率直さで論及。
たとえば、忌避されがちな問題、マリア信仰がキリスト信仰の中にどう入り込み、どう歪めていったのかについてなど。
③.近代に入ってイエスはずたずたに解体され、ついには存在などしていなかった、福音書は想像の産物、神話にすぎぬ、と罵られるに至ったが、その真相を同様の論点、率直さで論及。
イエス存在説の復活についても。
④.信仰と相入れないかに見える合理的、科学的探求による諸説についても。イエスの革命家説から犬儒派哲学者説、最大の精神科医説までを網羅的に。イエスの死因やその容貌に至るまでも論及。
⑤.信者の耳に痛い情報も漏らさず。しかし多くは憶測やこじつけによることにも論及。
たとえば、その墓まで発見されていることから信者の方々を悩ます「イエスの実父はローマ兵士パンテラ」説など。同様に、古代から中世にかけてユダヤ教徒が伝えた耳の痛い情報についても。
⑥.カトリックと犬猿の仲とされるフリーメイソンのなんたるかについて、そして何が両者を隔てるのか、についても根本の論から言及。
(※ 信仰に自信の無い方は、本書により信仰が揺らぐかもしれません。ご注意を)
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【章タイトルと小見出し項目リスト】抜粋
第1章 イエスの〝復活〟と彼を巡る親族・弟子・女たちについての証言
№2.十字架上で仮死しただけで絶命しなかった、そのため蘇れた、とする証言
№3.復活の奇蹟を巡るさまざまな奇矯な証言
№4.弟子たちがイエスの幻を見たことから復活神話は生まれた、とする証言
№11.マグダラのマリアはイエスの妻だった、とする証言
№14.マグダラのマリアはイエス信仰の創始者だった、とする証言
№16.古写本「ユダの福音書」の「ユダはイエスに選ばれた真の使徒であった」、とする証言
第2章 現代の科学的検証と物証に揺らぐイエスのアイデンティティについての証言
№17.トリノの「聖骸布」に残る血液型AB、身長181㎝の磔刑者はイエスだとする証言、そうでないとする証言
№18.「聖骸布」のネガ像を基に、長髪で髭を生やすイエスの肖像画が生まれた、とする証言
№20.現代の医学者による、急性滲出性肋膜炎が直接の死因であった、とする証言ほか
№21.イエスは広い顔、薄茶色の瞳、短い巻き毛、髭、浅黒い顔を持つ黒人系だった、とする証言
№23.実在のローマ軍兵士アブデス・パンテラは母の姦通相手で、イエスの実父である可能性を示唆する考古学上の証言
№24.イエスには妻マリアと息子ユダがいた可能性を、エルサレムのタルピオット出土の骨箱銘文が示唆する考古学上の証言
第3章 古代・キリスト教揺籃期におけるイエスのアイデンティティについての証言
№27.最古の文献を多数書いた聖パウロのイエスのアイデンティティについての証言
№31.イエスの受難は、民の罪を贖うため、その民に捨てられる定めをなぞる悲劇だった、とする証言
№35.福音書のプロットがその模倣と言えるほどに似る『エレミヤ書』の証言
№36.イエスの奇蹟伝承の原形ともされる、治癒や奇蹟を行なう古代ユダヤの行者伝承の証言
第4章 キリスト教の発展期におけるイエスのアイデンティティについての証言
№38.ローマ人が史書に記した帝国の治安を乱す輩クレストゥスについての証言
№39.ストア派哲学者による、イエスはソクラテス、ピタゴラスに並ぶ3大賢人の一人だ、とする証言
№41.アラム語版『ユダヤ戦記』に記される〝支配しなかった王イエス〟という証言
№42.古代最大の異端グノーシス派の、超観念的なイエスのアイデンティティについての証言
№45.外典「トマス福音書」が列記するイエスの100余の教え、という形の証言
№47.イエスは魔術師ノツリ人のイェシュだった、あるいは偽預言者バラームだったと読めるとされるユダヤ教徒の証言
№48.イエスは兵士パンテラと母マリアとの姦通の子だった、とする証言
第5章 中世・キリスト教全盛期におけるイエスのアイデンティティについての証言
№51.「神の母マリア」信仰を擁護するためイメージが曖昧にされたイエスのアイデンティティについての証言
№53.〝光の子の解放者イエス〟を説く3世紀に勃興したマニ教の証言
№55.ソクラテスの刑死はイエスの磔刑死の予型だった、とする教父たちの証言
№56.プラトンはイエス以前のキリスト教徒で、十字架刑を予言した、とする教父たちの証言
№59.イエスはホームレス的放浪生活を送る修道士の原型だった、とする証言
№60.イエス私生児説を説く「セペル・トレドス・イェシュ」による中世ユダヤ教徒の証言
№61.絵画に込められたイエスのアイデンティティについての証言
№62.古代末期に登場した新たなイエスの画像に込められた、現行のそれに直結する彼のアイデンティティについての証言
f.苦しみに引き裂かれる十字架上のイエス
g.神を抱くマリア信仰の表徴、聖母子像
第6章 近世~近代・揺れるキリスト教の時代におけるイエスのアイデンティティについての証言
№63.イエスを姦淫を犯した並みの男だ、と説いたルターの証言
№65.その神性を剥奪した卑小なイエスを説いたヴォルテールの証言
№66.奇蹟と復活は事実が核となった錯覚であった、とする穏健な合理的解釈によるパウルスらの証言
№67.イエスから奇蹟神話を除去し、存在まで抹殺した近代理性主義者らの証言
№68.カトリック教会に忌み嫌われるフリーメイソンの証言
№69.良識の師、信仰の先達などと、その詩的・芸術的感性がイエスの息を吹き返させたロマン派の証言
№70.イエスを〝霊の詩人〟だと唱えた詩人エマスンの証言
№72.イエスは〝自由な精神の持ち主で、生命力に溢れた青年だった〟と唱えたニーチェの証言
№73.深淵な大審問官とイエスの対決を作中で描いたドストエフスキーの証言
№74.イエスを〝無暴力主義的解放者だった〟と唱えたトルストイの証言
第7章 20世紀・キリスト教衰退の時代におけるイエスのアイデンティティについての証言
№76.神に降臨を強いるために自らを犠牲にした、と説いたシュバイツァーの証言
№81.「金髪碧眼の白人で反ユダヤ闘士のリーダーだった」と唱えたヒトラーの証言
№82.イエスは「憂愁の無神論者」だった、と説いたカミュの証言
№83.イエスの公生活は古代最大の実存主義劇だった、と説いたヤスパースの証言
№85.イエスはリビドーの浄化を教えた最大の精神科医だった、とするベルジュアらの証言
№86.イエスは〝義の教師〟である、と唱えた「死海写本」の研究者らの証言
№88.イエスは独立革命闘争のリーダーだった、とするカーマイケルの証言
№91.福音書の伝承は仏典のブッダ伝承を基に作られたイミテーションだった、とする堀堅士の証言
第8章 現代・キリスト教の存在意義が問われる時代におけるイエスのアイデンティティについての証言
№92.イエスは地下解放運動のリーダーだった、とするヒッピー文化論者らの証言
№95.イエスは物乞いにしてさまよう犬儒派哲学者であった、とするマックの証言
№97.イエスは無力で何もできないが、しかし我々の永遠の同伴者である、とする小説家遠藤周作の証言
№101.著者・斎藤による証言
※ 本作は、『古今の資料が証すイエス・キリストの謎と正体 ミニ百科』の簡略ベーシック姉妹版です
【著者略歴】1957年、埼玉県熊谷市生まれ。早稲田大学卒。紙の本の著書は『封印されたマリアのキリスト教』『解読された聖書とイエスの謎』ほか多数
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