著者:行洋
ページ数:185
¥200 → ¥0
私は行きっぱなしで帰って来ないとか、半年働いて半年バックパッカーをしているような特別な人ではない。学生として、社会人として限られた時間とお金でバックパッカーをしていた。それでも相当強烈な経験をした。今無事でいるから、濃い経験ができて良かった、と思える。
本書で登場する出会った人たちは、貧しい子供たち、孤児院の子供たち、死にそうな物乞い、白人の物乞い、諦めた目の人たち、いかさまガイド、土産物屋や食堂の手ごわい人たち、だまそうと近づいてくる人たち、破壊者シヴァ、鼻毛の青年、親切な宿の青年、インドの友、各国からのバックパッカー、旅慣れないバックパッカー、旅の強者、支援仲間、支援の偽善を叱った人、忠告してくれた薬局のおじさん、バイクの警察官、注射を回し打ちする者たち、いけにえの儀式の太鼓打ち、美人の歌手、マザー・テレサ、ミッテラン大統領、シアヌーク殿下、ポル=ポト派、警備兵、国連平和維持軍、帽子を持って行った少年、宣伝男、シャツを伸ばす強引なおばさん、富裕層、人の好い旅行代理店の人、人の好いリクシャー運転手、やり手のリクシャー運転手、柄の悪い運転手、暗闇で蠢く人々、部屋の扉の前で眠る使用人、銃口を突きつける者、などなど。
旅は大体の見通しだけで日本を出発していた。宿や行先は現地を歩きながら決めていく。安宿に泊まり、移動は徒歩、バス、列車が基本だ。やむを得ない時だけタクシーや飛行機を使う。宿も食事も値切りの交渉をする。病気で寝込んでいたときに、バナナ一本を買うにもふっかけられて値切り交渉をしたのはきつかった。歩くことが多いので、持ち物は最低限。そして、お金をかけない旅をするということは、治安が悪い地域にも滞在するので安全対策も必要だった。
スマホがあったらどんなに助かっただろうと思う。インターネットで調べたり、バックパッカー同士で情報を交換したりできる。インターネットがなかったら日常生活でも相当不便なのに、危険な地域に行く、日本人の感覚が通じない、とか発展途上国での貧乏旅行では、情報が不十分だと身の危険にも及ぶ。正しい情報を得るために何人にも話を聞き、確かめていった。
まず、無事に帰れないかもしれない地域を見極め、そこには踏み込まない。それから、食べられる物を探さねばならない。病気にならない食べ物を。‘これは食べて平気だろうか’なんて食事の度に気をつけなきゃならない生活だ。そして、毎日の寝る宿の確保も大事だ。暗くなっても宿が見つからなかったときに感じた不安は、今でもはっきりと思い出す。
旅の持ち物を挙げてみる。パンツ三枚、Tシャツ二枚、シャツ、トレーナー、Gパン、短パン、ベルト、靴下、スポーツシューズ、サンダル、タオル二枚、帽子、空気枕、腕時計、携帯用目覚まし時計、カメラ、フィルム36枚撮り五本、ボールペン、懐中電灯、トイレットペーパー、ポケットティッシュ四個、ウェットティッシュ二個、歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸、爪切り、耳かき、ビニール袋三枚、紐、風邪薬、胃薬、下痢止め、マラリアの薬、チフスの薬、消炎の塗り薬、消毒用塗り薬、絆創膏十枚、蚊取り線香とそれを立てる金具、百円ライター、梅丹(梅肉エキス)、水筒、トラベラーズチェック、クレジットカード、日本円とドル、パスポート、顔写真二枚、小物入れ、首に下げる貴重品入れ、腹に巻く貴重品入れ、錠前二つ、ワイヤー、バックパック、旅行安全情報の本と冊子、地球の歩き方、旅のノート。元々着古していた衣服や消耗品は帰国時には捨てているので、空港の荷物検査で「これだけ?」と言われたこともある。
本書で登場する出会った人たちは、貧しい子供たち、孤児院の子供たち、死にそうな物乞い、白人の物乞い、諦めた目の人たち、いかさまガイド、土産物屋や食堂の手ごわい人たち、だまそうと近づいてくる人たち、破壊者シヴァ、鼻毛の青年、親切な宿の青年、インドの友、各国からのバックパッカー、旅慣れないバックパッカー、旅の強者、支援仲間、支援の偽善を叱った人、忠告してくれた薬局のおじさん、バイクの警察官、注射を回し打ちする者たち、いけにえの儀式の太鼓打ち、美人の歌手、マザー・テレサ、ミッテラン大統領、シアヌーク殿下、ポル=ポト派、警備兵、国連平和維持軍、帽子を持って行った少年、宣伝男、シャツを伸ばす強引なおばさん、富裕層、人の好い旅行代理店の人、人の好いリクシャー運転手、やり手のリクシャー運転手、柄の悪い運転手、暗闇で蠢く人々、部屋の扉の前で眠る使用人、銃口を突きつける者、などなど。
旅は大体の見通しだけで日本を出発していた。宿や行先は現地を歩きながら決めていく。安宿に泊まり、移動は徒歩、バス、列車が基本だ。やむを得ない時だけタクシーや飛行機を使う。宿も食事も値切りの交渉をする。病気で寝込んでいたときに、バナナ一本を買うにもふっかけられて値切り交渉をしたのはきつかった。歩くことが多いので、持ち物は最低限。そして、お金をかけない旅をするということは、治安が悪い地域にも滞在するので安全対策も必要だった。
スマホがあったらどんなに助かっただろうと思う。インターネットで調べたり、バックパッカー同士で情報を交換したりできる。インターネットがなかったら日常生活でも相当不便なのに、危険な地域に行く、日本人の感覚が通じない、とか発展途上国での貧乏旅行では、情報が不十分だと身の危険にも及ぶ。正しい情報を得るために何人にも話を聞き、確かめていった。
まず、無事に帰れないかもしれない地域を見極め、そこには踏み込まない。それから、食べられる物を探さねばならない。病気にならない食べ物を。‘これは食べて平気だろうか’なんて食事の度に気をつけなきゃならない生活だ。そして、毎日の寝る宿の確保も大事だ。暗くなっても宿が見つからなかったときに感じた不安は、今でもはっきりと思い出す。
旅の持ち物を挙げてみる。パンツ三枚、Tシャツ二枚、シャツ、トレーナー、Gパン、短パン、ベルト、靴下、スポーツシューズ、サンダル、タオル二枚、帽子、空気枕、腕時計、携帯用目覚まし時計、カメラ、フィルム36枚撮り五本、ボールペン、懐中電灯、トイレットペーパー、ポケットティッシュ四個、ウェットティッシュ二個、歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸、爪切り、耳かき、ビニール袋三枚、紐、風邪薬、胃薬、下痢止め、マラリアの薬、チフスの薬、消炎の塗り薬、消毒用塗り薬、絆創膏十枚、蚊取り線香とそれを立てる金具、百円ライター、梅丹(梅肉エキス)、水筒、トラベラーズチェック、クレジットカード、日本円とドル、パスポート、顔写真二枚、小物入れ、首に下げる貴重品入れ、腹に巻く貴重品入れ、錠前二つ、ワイヤー、バックパック、旅行安全情報の本と冊子、地球の歩き方、旅のノート。元々着古していた衣服や消耗品は帰国時には捨てているので、空港の荷物検査で「これだけ?」と言われたこともある。
全く違う価値観の中で、刺激を求めて自分の力を試すのであれば、その究極の形はインドにあり、そこには世界各国からバックパッカーが訪れる。
私がバックパッカーとしてインドを訪れたのは一九九四年だった。噂に違わず、とんでもなく刺激があった。やはりインドというのは圧倒的なパワーを持ち、そのパワーに翻弄され、まったく違う価値観にぶつかり、はねかえされ、だけれどもそれに必死に抵抗した。
だが、旅を続けるうちに、次第にインド独自の価値観を受け入れていったことに気づく。そして、力試しに体当たりしてただ抗うことの、また自分の力だけに頼ることの限界にも気づいていった。
この手記はその帰国後、東南アジアの旅などと併せて数年かけて書き上げた。当時はまだどこにもたどり着いていなかった。どこに向かっているのかも分かっていなかった。しかし、今は分かる。それをブログに載せ、一部公開していなかった部分も併せて本書とした。
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