著者:斉藤 賢爾
ページ数:187

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「貨幣経済が衰退する」──電子マネーやビットコインといったデジタルな通貨に置き換わるという話ではありません。「マネー」そのものが衰退するのです。読者のみなさんはそんなことはあり得ない、と思うかもしれません。しかし、貨幣は人と人との信用のうえに成り立っています。言わば、貨幣は信用の「代用品」です。もし代用品にすぎない貨幣のもつ力が失われていけば、信用が本来のかたちで息を吹き返してきます。そして、著者はそんな日が到来するのも、それほど遠くないと考えているのです。
 では、どうして貨幣の力が弱まるのでしょうか。さらに、貨幣の力が弱まり、信用が本来の姿を現すときには、いったい、どんな社会・技術が現れるというのでしょうか。
 本書は、インターネットと社会の研究者である著者が、ビットコインの中核技術であるブロックチェーンの仕組みを俎上に載せて、「信用」の問題を考察し、実際に起こるかもしれない近未来の社会や技術の変化を予見する一冊です。デジタル通貨への期待が過熱するなか、冷静に技術的課題と向き合い、新時代の経済システム像を展望します。
【目次】
プロローグ――貨幣経済は衰退しました
第1章 ブロックチェーンって何だ?
 注目されるブロックチェーン
 ブロックチェーンとブラウン管は似ている?
 「証明」の手段としての新聞――すべてはタイムズ紙の見出しから始まった
 ビットコインの「問い」と「補題」 ほか
第2章「信用」の歴史――口約束から契約へ、契約からコードへ
 心の理論
 原始の約束
 全体主義的農耕の始まり
 職業人という名の奴隷 ほか
第3章「信用」と「裏切り」――ビザンチン将軍問題をめぐって
 ビザンチン将軍問題の背景
 ビザンチン将軍問題とはどんな問題か
 ビザンチン将軍問題を解く ─ 司令、攻撃やめるってよ ほか
第4章 ブロックチェーンの可能性と不可能性
 応用可能性が花開いた
 続々と行われる実証実験――醒める狂騒
人類史に残る新しい会社の出現
 地球規模オペレーティングシステム ほか
第5章「信用」の新世紀 ─ 社会はどこに向かっていくのか
 「貨幣経済は衰退しました」のリアリティ
 貨幣と会計の変化
 「貨幣」と「専門分化」と「国家」が三つ巴で衰退する
 限界費用ゼロかつ専門未分化社会の衝撃 ほか
エピローグ――フレンズ

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