著者:ラヴィ・ティドハー
ページ数:360

¥1,188¥0

私立探偵ウルフ。ドイツで総統になるはずだった男。
作家ショーマー。アウシュヴィッツで総統の夢を見る男。

かつてウルフはドイツで有力な政治家だった。
しかし、“大転落”と呼ばれる政変が起こり、
権力を失った彼は、ロンドンに逃れ私立探偵をしていた。
ユダヤ人嫌いのウルフだが、金のためにユダヤ人女性の行方を探すことになり、
さらに娼婦連続殺人事件にも巻き込まれてしまう。
そして調査を進めるうちにウルフは
元同志たちが暗躍するイギリスの暗部へと足を踏み入れる。

時間と場所を隔てた別の世界。
アウシュヴィッツで、作家が夢を見ていた。
自分から、ユダヤ人から、すべてを奪ったあの男の夢を。
夢の中では男は私立探偵をしていた――。

ひとから想像力を奪うことはできない。
だが、すべてを奪われ想像力だけが残されたとき、それはひとに何をもたらすのか。
ホロコーストを新たな視点で描いた、歴史改変奇想ノワール。

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