著者:矢部恒彦
ページ数:219
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実際のところ、5km(50kmじゃないところがミソ)ぐらいの範囲をみんなが小型自家用車(トラックじゃないところがミソ)で行き来する、アメリカ西部では結構な環境先進都市かつ衝撃的なコンパクトシティ!
最近はゆるキャラまでやってきて、どうやら最後の売り切り体制になってるみたい。
バブル期みたいな古くさいキャッチにわざと騙されて留学してみたカルスタのぼくは、いろいろと面白く勉強になる体験をしました。
そこには全米一、みたいな薄っぺらなほめ言葉を超えた市民の皆さんの政治・文化・宗教風土によって引き継がれ丹精された街並みが。
それは、市民の皆さんの着込んだ原色・防水パーカーみたいに、もう見た目もどうでも良くなってきているような、でも、いごこちよい要素的空間(そちらのほうが、パリにもベネチアにも興味のないぼくにとっては美しいまちなみ)。
滞在して見えてきたのは、大金になるダウン・タウンの田舎古典ビルでも、小金にはなるヒッピー風のサイケ画でもなく、ふつうの優しいひとたちの街づくり。
都市の「クリエイティブ」に興味があるかたは是非。
◎なかみ
1章 「ポートランドのまちづくり」へのテクスト論導入
交通空間に見る〈空間の表象〉の神話作用
〈表象の空間〉をめぐる元ヒッピーたちの闘い
全米ヒットTVドラマ『ポートランディア』:グロテスク・リアリズムによる〈空間的実践〉のテクスト
一見オタク、脱げば筋肉モリモリの市長とホームレス問題 など
2章 単一だが拡散したポートランド都市圏
〈表象の空間〉ダウン・タウン
州間高速の先にある衛星都市群
ファストフード邸宅から集合住宅まで
夜な夜な賃貸アパートのショッピングで東部を再発見 など
3章 ポートランド東部のグリッド街路
東南地域の第一印象、密度の低さとインフラの脆弱さ
たのしそうな東郊のMAX車内
肉まん、タコス、ポルカ など
4章 形態規制に落とし込まれた「路面電車郊外」の歴史
当地区のコンプリヘンシブ(マスター)プラン
街角のスーパー「フレッド・マイヤー」
昔ながらのイートイン
いま「路面電車郊外」がアツい!
路面電車の復活と〈空間の表象〉の販促 など
5章 まちづくりボランティア活動への参与観察
当市におけるボランティア活動資源の慢性的な不足
単一中心都市のまちづくりボランティア活動
SORのしくみ、オシャレな奉仕活動
アクセサリー住居ユニット(ADU)とケントン女性村の立地
ホイットニー、ロブと一緒に青空への階段を成就させる など
6章 ポートランドの園芸
カリフォルニアからオレゴンへ、【賞でる園芸】から【育てる園芸】へ
三つの空間と【育てる園芸】
銀閣寺ふう回遊式のジーンズファーム
ジブリより恐ろしい伊勢風の鳥居
芝生から「ミツバチにやさしい」前庭へ
いとおしいヤギの仕草
園芸仲間と初めての楽しい協働 など
7章 シティ・リペアについての補足
うすい物語によるロマンス化のはじまり
交差点ペイントのテクスト分析
「額縁の立派な絵」としての交差点ペイント
ロック・ショーが終わったあとのメンバーたち など
8章 〈空間的実践〉としての【育てる園芸】へ
どのような時、園芸は苦汗労働になるのか?
全部ウソの市民農園、「正義の畑」
メディアがいなくなった後のケントン女性村
ひとびとを支える行政と地域商業
学校区のリンゴ祭り
リンゴを食べるひとたち など
9章 提言:「ポートランドみたい」にオシャレなまちづくりをしたい! という人へ
◎「額縁の立派な絵」の額縁を作ろう
◎いま求められている〈表象の空間〉、多数の所有者による手触りのよいまちへ
◎法人地主 vs 街角革命家から、個人所有の街へ
◎マンション一棟じゃなくて家を買おう ◎気候と政治風土をチェックしよう
◎街のショッピングをしよう ◎塀をはずして、庭を造ろう
◎PTAから参加しよう ◎ちいさな車に乗ってまちを探検しよう
◎ガレージを作らず路上駐車しよう
10章 「全米一住みたい街」はずれのキャンプ場にいたおばけの話
終章 キャンパーの住まいとさいごの写真分析
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