著者:砧大蔵
ページ数:272

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平成××年、日本政府は機甲師団廃止を打ち出し、陸上自衛隊の北恵庭駐屯地では人事異動が発令された。函館駐屯地の第28普通科連隊に転属を命じられた第3戦車小隊の江川憲明隊長は、抵抗する部下達を必死に説得した。「函館は北朝鮮ゲリラの侵攻作戦が行われる可能性もある。今度の人事は新たな敵に対処するための崇高な任務なんだ」函館着任早々、濃霧に包まれたある日、江川小隊は74式戦車で視界不良時訓練をしていた。その真っ最中に、異変は起きた。地震のあと、砲手用照準器が故障して何も映らなくなってしまったのだ。だが、それは故障などではなく、駐屯地のまわりの函館市街すべてが消滅してしまったのだった。調査の結果、連隊は明治2年の箱館に飛ばされてしまったことが判明。当時、蝦夷共和国を独立させようとしていた榎本武揚と土方歳三は、彼らに味方になって戦うよう迫るが…。

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