著者:山田博士
¥1,080¥0

★概要

そう言えば、昔、女優のマリリンモンローが、映画の中で使ってい
た「シャネルの5番」なんていう香水が…ありましたなあ。

なんて、ふと、窓の外を眺めながら、うっとりする。

おっととと、冒頭で、呑気(のんき)に昔の思いに耽(ふけ)って
などは、おれませぬ……(脇[わき]をつねって正気に戻る。笑)。

でも、これら「シャネルの5番」に代表される「香水」たちの原料
の多くは、ほとんどが石油製なんですね。

そう、石油から作られた化学物質の「合成香料」なんです。

こうした「合成香料」は、大昔からあるわけじゃなく、19世紀後
半になって、ドイツで初めて作られたものです。
つまり、「合成香料」の歴史なんて、人類の長い歴史から見れば、
まだまだ新しいものなんですね。

それらの「合成香料」のせいで、いま、人が倒れている!

そんなこと、誰も思ったりもしませんでした、いままでは……。

             ★★★

ぼくたちが匂いを嗅ぐ場所は、もちろん鼻ですよね。

その鼻は粘膜(ねんまく)ですから、吸収がとても早いところなん
です。

ここでは低分子の化合物だけが吸収されるわけですが、悪いヤツを
止める「血液脳関門」を通過せずに、ほかの場所を経由して直接脳
へ届いてしまう。

そのため、ぼくが、こうした「合成香料」の危険性について、いつ
も大空を仰(あお)ぎながら「騒いでいる」わけです(笑)。

お分かりですか。

香りは、毒物チェックするその「関所」を通過せずに、ほかから通
過するわけですね。

そのため、直接脳に到達するとの報告もあって、非常に効果が期待
される反面、「とても危険な一面」も持っているわけ。

そうした結果、いま、日本だけじゃなく、世界的に、「香り殺人」が、
静かに広がっています。

             ★★★

それらについて、本書では、詳しく述べてみました。

ぜひ、最後までご覧下さい。

これは、ただの香りですが、されど香り、なんですね。

こうした香りが元(もと)で病気になり、そのあとの人生が大きく
変わってしまうとなれば、これはまさに「殺人」そのものだという
ことになりませんか。

自分のしたい未来の仕事もできず、現在の幸せも消える。

たかが香料のために、そうした未来が無くなるのですから、その人
にとっては「殺されたのと同意味」でしょう。

今回、オーストラリアで行われた調査も載せておきましたが、これは、
大規模なWebベースのパネルから無作為に1098名のサンプル
を使用して、標本調査を実施したものでした(本書に詳しく載せて
います)。

それらの結果をぜひご覧下さい。

             ★★★

いま、この「香りビジネス」が日本中に蔓延(まんえん)しており
ます。

つまり、合成香料を使った商品が、ぼくたちの周囲に氾濫している
わけですね。

最近、若者にも多く現れている化学物質過敏症の患者さんたちにと
っては、とくにこの衣類などから発散する合成香料が耐えられない
と言います。

強い香りが長持ちすることを謳(うた)った衣類用柔軟剤(じゅう
なんざい)は、「新鮮な香りがずっと続く」「着ている時まで」「着
るとき香り蘇(よみがえ)る」などの宣伝文句で、仕上がりの柔ら
かさより「香りの強さ」を強調していますよね。

これらの商品は2008年~2010年に、大手3社が相次ぎ発売
したのですが、香りが長く持続する商品の売り上げは、柔軟剤全体
の約1.5倍にも伸びているほど。

この香りは、アントラニル酸メチル、ジヒドロキシジメチル安息香
酸メチルなど多種類の化学物質を組み合わせた人工香料……つま
り「合成香料」でつけられています。

             ★★★

しかも、この香料については規制もなく、まさに「企業秘密」とい
う言葉で闇の中にある状態なんですね。

妊娠中や授乳中は、とくに十分注意をしなくてはならない理由など、
ぜひ本書を楽しみに、ご覧下さい。

ささささ、それではどうぞ。

「社会の裏側!」の既巻号も載せています。

★目次

★(第1章)

鼻は粘膜ですから、吸収がとても早いんですね。ここでは低分子の
化合物だけが吸収されるわけですが、悪いヤツを止める「血液脳関
門」を通過しないで、ほかの場所を経由して直接脳へ届いてしまい
ます。だからぼくが、「騒いでいる」わけ……

★(第2章)

ステイネマンさんが言うには、「今回のこれらの調査結果は、企業、
職場、介護施設、学校、家庭など、香料入り製品を使用している場
所に深刻な影響を示すだろう……」とのこと。また、フレグランス
フリー(無香料)を好むオーストラリア人は、そうでない人の約2
倍だったとも語っています……

★(第3章)

高級香料であるムスク(麝香)の代替品(だいたいひん)として、
化粧品や香水に使われている「人工麝香」。これは、生物のホルモ
ンの働きを乱す環境ホルモン(「環ホル」)も指摘されております。
そして、それを突き止めた人がいます……

★(第4章)

それなのに、何を血迷ったのか(笑)、NHKがこの「香り」を企業
に替わって大々的に「宣伝」しておりました。つまり、NHKの「ク
ローズアップ現代~広がる“においビジネス”」で、「広がる“にお
いビジネス”」が放送され、香りビジネスとしての現状を伝えていた
のです。何をか言わんや……

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