著者:S・S・ヴァン・ダイン
ページ数:293

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ファイロ・ヴァンスが訪れたガーデン家のペントハウスでは、親しい人びとが集まって世紀の大レースの実況中継に耳をかたむけていた。レース終了と同時に屋上から聞こえてきた一発の銃声。人びとが駆けつけると、全財産を一頭の馬に賭けて敗れたウード・スウィフトが頭を撃って死んでいた。誰もが自殺だと信じたが、前日に謎のメッセージを受けていたヴァンスは違うという。しかし、レース中すべての関係者は階下におり、屋上にあがって銃を撃てた者はいなかったはずだった。屋上と階下をむすぶ唯一の連絡手段である呼出ベルが、電線を切られて鳴らなくなっていたのが何かのトリックだったのか? 事件のあと、ヴァンスの多感な性情がいっそう孤独の影を深めたという理由は? 後期6作中の頂点とされる力作の新訳決定版。

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