著者:加治将一
ページ数:385

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歴史作家・望月真司は、一枚の古写真に瞠目した。「鳥津公」とされる人物を中心に、総勢一三人の侍がレンズを見据えている。そして、その中でひときわ目立つ大男…かつて望月が「フルベッキ写真」で西郷隆盛に比定した侍に酷似していたからだ。この男は、若き日の西郷なのか?坂本龍馬や勝海舟らと違い、西郷を写した写真は現存しない、とされている。よく知られた西郷の肖像は、彼の死後、外国人が描いたものだ。「一三人撮り」の大男が西郷だとしたら、この写真はいつ、何のために撮られたのか。謎を解明すべく、望月は鹿児島へ飛んだ。明治維新の中心人物たちと「南朝」を結ぶ糸、西郷と公家の関係、武器商人・グラバーの影…望月は、次々と驚愕の事実に直面する。

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