著者:高坂 立夫
ページ数:119

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 現在、国民の公的年金への不安が高まっていて、その不信感は拭われないままです。その年金問題の深刻な状況を考えると、その解決には、年金制度の長期的な給付と負担の均衡を図って年金制度を持続可能なものとするとともに、将来的な給付水準(現役世帯の手取り収入の五〇パーセント)を確保し、国民の年金制度への信頼確保を図ることが急務となっています。
 一九八〇年後半から、公的年金の財政悪化が顕在化して来ました。国の財政が危機的状況になり、年金として預けたお金が戻って来ないような無政策な国を信用出来ないから、年金のためにお金を払いたくないというのが現代の風潮です。
 だから、公的年金より民間保険、あるいは貯蓄の方が安全で有利だ、と若者も言い始めて来ています。
 国の年金制度は、国民年金保険料未納者が増え、国民年金の空洞化が深刻な状態になっています。自営業者や非正規労働者などが支払う国民年金の納付率が二〇〇八年(平成二〇年)度は、過去最低の六二・一パーセントまで低下しました。このままでは、無年金や低年金の高齢者が急増する恐れがあります。公的年金加入者は二〇〇九年(平成二一年)一月現在で約一億九〇〇万人、受給者は三六九五万人、年金支給総額は年間約五〇兆円に達し、高齢者世帯の暮らしを支えています(この巨額の資金は、国の税収に相当します)。(本文より)

【著者プロフィール】
高坂 立夫(たかさか・たつお)
1930年 兵庫県淡路島に生まれる。
1949年 関西学院大学経済学部退学。
1960年 明治大学法学部法律学科卒業。
1972年 社会保険労務士試験合格。
1990年 証券会社を経て自動車製造会社を定年退職。
1991年 髙坂労務経営事務所開業。企業の顧問として労務管理の指導に当たる。
1994年 JMEC経営労務コンサルタント登録。
2009年 特定社会保険労務士試験合格(付記)。

著書に、『開業・社会保険労務士の書いた本』(まつやま書房、1997年)、『人生百歳長寿社会を生きるために』(文芸社、2000年)『経営法科と労働』(日本文学館、2005年)がある。

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