著者:坪内逍遙
ページ数:71
¥350 → ¥0
これまで刊行してきた各章をまとめるにあたり、訳を見直し大幅にブラッシュアップ。
『小説神髄』の現代語訳です。『小説神髄』は日本の近代文学誕生の礎となる重要な書物ですが、今この原文を読もうとすると、古典文法や語彙が入り交じり決して読みやすいものではないことが分かります。現代語訳にあたっては、原文の意味にできるだけ忠実に寄り添いながらも、なるべく平易に読めるよう思い切って訳しているところもあります。原文は調子の良い非常にリズムのある文体で書かれているので、そちらもぜひ読んでもらいたいと思いますが、スムーズに行かない場合には本訳に目を通した上で原文を読んでいただければと思います。
『小説神髄』の現代語訳です。『小説神髄』は日本の近代文学誕生の礎となる重要な書物ですが、今この原文を読もうとすると、古典文法や語彙が入り交じり決して読みやすいものではないことが分かります。現代語訳にあたっては、原文の意味にできるだけ忠実に寄り添いながらも、なるべく平易に読めるよう思い切って訳しているところもあります。原文は調子の良い非常にリズムのある文体で書かれているので、そちらもぜひ読んでもらいたいと思いますが、スムーズに行かない場合には本訳に目を通した上で原文を読んでいただければと思います。
『小説神髄』の重要性は、近代文学の起源であるばかりでなく、「これだけ包括的な小説論はその後日本ではほとんど書かれていない」(亀井秀雄『小説論』)と言われるほど、小説とは何か、上巻の歴史的理論的考察と、下巻の技術面からの考察からなりたっており、小説論の本としても貴重な側面を持っています。この本が書かれた1800年代後半の状況を現在の視点から読むとき、何が変わっているのか、案外状況は変わっていないのか、そんなことを読み込むのもまた面白いでしょう。今読む意義はまったく衰えていません。むしろ文学とは何か、と問い直す上で、近代文学の出発点となる本書に何が書かれているのか、それを抑えておくことは必須と言えるでしょう。
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