著者:VICTOR
ページ数:28
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その小説では、ダンテの熱狂的信奉者である科学者のゾブリストが、人口爆発という差し迫った地球の危機を憂い、彼の開発したウィルス ヴェクターを蔓延させ、世界人口を死に追いやって減らすことで、その解決を図ろうとする陰謀が、ストーリーの骨格になっています。
ロバート ラングストン教授の明晰な頭脳と危険を顧みない活躍で、ウィルス ヴェクターの拡散は回避できたかに見えましたが、どんでん返しの結末では、回収したときにはすでにウィルスの感染は全世界へと広がっていることが分かります。
しかし、WHOはワクチンの策定を断念します。
このプロローグは、つまりWHOも人口爆発という非常に困難な問題と、その危険性について十分に認識しているということを示唆していて、興味深いものでした。
2020年におこっているパンデミックを、WHOと結びつける陰謀論を展開するつもりは毛頭ありませんが、この人口爆発という問題は、どの程度深刻で、どのような問題があり、そしてどれくらい差し迫ったものなのでしょうか?
地球の人口は、西暦がが始まってから1000年をかけて、およそ2倍の2億人に達したと推計されています。
19世紀が始まる頃には16億人でしたが、第二次世界大戦が終わった1950年頃には25億人を突破し、2000年には61億人にまで爆発的に増加していています。
2020年の現時点では76億人、さらに2056年には世界人口が100億人に達することが推計されています。
日本はといえば、現状では少子化の問題で人口減少に歯止めがかからない状況で、少子高齢化社会の実験的な国家として世界から見られていますが、江戸時代の300年間の国内人口はおよそ3000万人で安定してたといことです。
しかし明治維新後、日本が近代化していく100年間の間に、実に約4倍の1億2000万人にまで人口が増加しています。
人口爆発の曲線グラフをみると、あたかも2020年のパンデミックをあらわる曲線と酷似しています。
どのような仕組みで、人口はウィルス感染のように爆発的な増加が起こるのでしょうか?
そして人口が爆発的に増加してしまったあとの、地球人口100億人の未来の地球は、はたしてどうなってしまうのでしょうか?
いまでも、1時間におよそ1万人の赤ちゃんが、地球の何処かで生まれているという、その未来の世代の問題についても考えていきたいと思います。
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