著者:一楽 真
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親鸞が「真実の教」とした「大無量寿経」。「阿弥陀仏の本願」が説かれたこの経が、私たちに教え示すものとは何か。これは2000年から金沢真宗学院で行われた講義録であり、この経典の格好の入門書である。
<阿難もやはり親鸞と同じように、釈尊のようにならなければいけないと思っていたのです。なかなかなれないものですから、「お釈迦様はまだ亡くならないでください」「私達をもう少し導いてください」と、そう阿難は言いました。そんな阿難が、この『大経』の中では、釈尊も実は私達のお手本ではなく、帰るべき世界を教えてくださった人だったと気づきます。つまり、私達は釈尊の真似をして生きるのではなく、釈尊の出会われた世界に出会えと勧められているのだと頷くのです。阿難がそうして独り立ちをしていくような事実に親鸞は『大経』が真実であるという証拠を見るのです。
一言で言うならば、『大経』とは、人を生み出す、独立者を生み出す経典です。ここに親鸞は『大経』の持つ真実性、真実の働きを見ました。>
著者略歴
一楽 真(いちらく まこと)
1957年石川県生まれ。大谷大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、大谷大学教授。主な著書に『親鸞聖人に学ぶ―真宗入門―』(東本願寺)、『四十八願概説―法蔵菩薩の願いに聞く―』(文栄堂)、『この世を生きる念仏の教え』(東本願寺)、シリーズ親鸞『親鸞の教化―和語聖教の世界―』(筑摩書房)、『日本人のこころの言葉 蓮如』(創元社)、『阿弥陀経入門』(東本願寺)など。
※本書は2004年に文栄堂からから出版された同名の書籍を、著者と出版社の許可を得て電子化して再刊したものです。
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