著者:村田英幸
ページ数:218

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投資事業有限責任組合契約法に関する裁判例すべてを網羅しています。
投資事業有限責任組合契約法の正式名称は、「投資事業有限責任組合契約に関する法律」です。
投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成10年法律第90号)は、事業者に対する投資事業を行うための組合契約であって、無限責任組合員と有限責任組合員との別を約するもの(投資事業有限責任組合契約)に関する制度を確立することにより、事業者への円滑な資金供給を促進し、その健全な成長発展を図り、もって我が国の経済活力の向上に資することを目的とする法律です。
略称はLPS法。
1998年(平成10年)に、中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律として成立した。同年6月3日に公布され、平成16年法律第34号(2004年4月21日公布)による改正の際に、現在の題名に改称されました。
目次
第1部 出資者との民事訴訟
第1章 中小企業等投資事業有限責任組合である被告から脱退した原告が,被告が組合契約の条項を形式的に適用して,原告の出資持分の全額即時払戻しを拒否しているのは権利濫用に当たるとして,原告の出資持分を直ちに全額払い戻すことを請求した事案
第2章 株式譲渡による企業買収の基本合意書の一方当事者がこれを破棄した場合において、信義則上の注意義務違反が認められた事例
第3章 投資事業有限責任組合(以下,本件組合)の有限責任組合員であった原告ら(銀行およびリース会社)が,本件組合の清算人である被告に対し,本来原告らに分配されるべき残余財産の未払分を被告が取得しているとして,投資事業有限責任組合契約による残余財産分配請求権(主位的)・不当利得返還請求権(予備的)に基き,前記金員等の支払を求めた(本訴)事案。
第4章 Xが,理事会の決議に基づき投資ファンドに出資して損害を被ったのは,不適格なファンドに出資する旨の決議に賛成したためである等と主張して,理事長Yらに対し,出資金同額の損害賠償を求め,(第1事件),理事がその妻に不動産を贈与したのは詐害行為に当たるとして,同贈与の取消しと所有権移転登記の抹消登記手続を求めた(第2事件)事案。
第5章 本件において原告は,「原告は,投資事業有限責任組合契約を締結して被告の有限責任組合員となっているところ,同契約上の分配金請求権を取得し,その残額は4493万6387円である」旨主張して,被告に対し,同契約に基づく分配金請求として,4493万6387円およびこれに対する履行請求後の平成26年2月28日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めている。
第6章 原告が,被告(被告会社の代表取締役)から被告組合に対する投資を勧誘され振り込んだ金員につき,騙されたとして不法行為等に基づき損害賠償等を求めた事案。
第7章 被告Y2との間で,被告Y1組成に係る匿名組合投資につき,参加契約をした原告が,①Y1,Y2(Y1ら)に対し,計算期間の組合決算書に付帯すべき監査報告書,監査法人被告Y3作成に係る手続実施結果報告書の開示,Y3に対し,開示のためにY3が設定した制限の撤廃,②Y1らに対し,一般に公正妥当と認められる会計原則に準拠し計算した組合決算書の作成等,Y3に対し適正な監査の実施,その監査報告書の作成等,③Y1らに対し,契約終了後も原告の出資金が拘束された事実の確認等を求めた事案。
第8章 原告(厚生年金基金)が,被告金融商品業者(取引会社)との間で投資一任契約締結により資産運用を行い年金資産の毀損を受けたとして,取引会社とその代表者および投資先会社とその代表者らに,債務不履行等による賠償を求める事案。
第2部 アドバイザーとの民事訴訟
第1章 被告Y1有限責任組合(以下「被告組合」という。)との間で,顧客紹介およびアドバイザリー業務に関する契約(以下「本件紹介契約」という。)を締結したとする原告が,本件紹介契約に基づき,被告組合に対し,買収の対象となる会社の情報を開示したところ,被告組合が,直接交渉等の制限条項に違反して,原告から情報開示を受けた会社の買収手続を進め,公開買付により株式を取得したが,かかる場合は,取引が成立したものとみなして,被告組合は,原告に対し,成功報酬を支払う義務があるとして,被告組合およびその無限責任組合員である被告Y2株式会社(以下「被告会社」という。)に対し,連帯して,公開買付価格の2%相当額に消費税相当額を加えた8878万8000円の成功報酬およびこれに対する株式取得の日の翌日である平成19年4月20日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めるものである。
第2章 被告Y1,同Y2との間でM&A取引に関するアドバイザリー契約を締結した原告が,同契約の特約に基づいて,被告らおよび業務執行組合員であった被告有限責任事業組合に対し,連帯して成功報酬の支払を求めた事案
第3部 労働事件
第1章 株式等の投資業務,投資ファンドの運営管理業務等を行う被告会社のプライベート・エクイティ投資グループに配置されていた原告X1,X2が,①被告のした各懲戒処分の無効確認,②経営管理グループへの配転命令の無効を理由とする,投資情報調査室に勤務する雇用契約上の義務がないことの確認,③組織的なパワーハラスメントによる経済的・精神的損害の賠償,④未払残業代,未払賃金の各支払を求めた事案。
第2章 訴外投資事業有限責任組合に雇用され,その後転籍し,同訴外組合の無限責任組合員である被告会社に雇用されていた原告が,訴外組合および被告会社の雇用期間中の未払基本給,通勤手当,時間外割増賃金と付加金および訴外組合に対する出資金返還の請求をした事案。
第4部 第三者との民事訴訟
第1章 原告は被告による被告名称の使用により,少なくとも営業上の利益を侵害されるおそれがあると認めることができるとした事例
第5部 税務訴訟
第1章 1 外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号および法人税法2条4号に定める外国法人に該当するか否かの判断の方法
2 米国デラウェア州の法律に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップが行う不動産賃貸事業に係る投資事業に出資した者につき,当該賃貸事業に係る損失の金額を同人の所得の金額から控除することができないとされた事例
第2章 1 内国法人に係る特定外国子会社等の行う地域統括業務が租税特別措置法(平成21年改正前のもの)66条の6第3項にいう株式の保有に係る事業に含まれるとはいえないとされた事例
2 内国法人に係る特定外国子会社等の行う地域統括業務が租税特別措置法(平成21年改正前のもの)66条の6第3項および4項にいう主たる事業であるとされた事例
第3章 法人税の更正処分のうち,申告額を超えない部分の取消を求める訴えは,適法な更正の手続を経ていない場合には,申告内容の錯誤が客観的に明白かつ重大であって,税法の定めた方法以外にその是正を許さないならば,納税義務者の利益を著しく害すると認められる特段の事情がない限り許されず,不適法であるとした事例
第4章 アメリカ合衆国デラウェア州法に基づくリミテッド・パートナーシップ(LPS)が,我が国の租税法上の法人に該当するとされた事例
第5章 被控訴人が,3年分の各所得税について,被控訴人の出資先であるいわゆる任意組合等から生じた利益または損失の額を所得税基本通達36・37共-20(以下,本件通達)に定める純額方式により納付税額等を計算して確定申告書を提出したところ,所轄税務署長から,全てにつき総額方式により納付税額等を計算すべきとして更正処分・過少申告加算税の賦課決定処分を受けたため,同処分は違法であるとしてその取消しを求めたところ,原審は被控訴人の請求を全て認容したため,控訴人が控訴した事案である。
第6章 被控訴人X1らは,外国信託銀行を受託者とする信託契約を締結し,各受託銀行をして,各GP等との間で,自らがリミテッド・パートナーとなる「LPS」を設立する旨の契約を締結させた。「LPS」において,米国所在の中古集合住宅を購入し,賃貸する事業を行ったことから,X1らは,貸付けに係る所得はX1らの不動産所得に当るとし,その金額を計算すると損失が生ずるとして損益通算をし,所得税の確定申告書もしくは修正申告書を提出した。処分行政庁は,これを認めず,X1らに対し,所得税の更正処分および過少申告加算税賦課決定処分等をしたため,X1らは処分は違法であるとして,その取消しを求めた。
第7章 アメリカ合衆国デラウェア州法に基づき,無限責任を負うゼネラル・パートナーおよび原則として出資額を限度とする有限責任を負うリミテッド・パートナーから組成された事業形態であるリミテッド・パートナーシップ(LPS)が,我が国の租税法上の法人に該当しないとされた事例
第8章 原告が,訴外会社と共に実施した宅地等分譲事業について,訴外会社提起の損失負担金支払訴訟により支払った本件宅地分譲に係る損失負担金,および当該訴訟の弁護士費用・訴訟費用(併せて,本件各費用)を原告の事業所得に係る必要経費に算入して所得税の申告をし,本件弁護士費用を含めて消費税・地方消費税(消費税等)の申告をしたところ,処分行政庁から,所得税および消費税等に係る各更正処分および過少申告加算税賦課決定処分(本件各更正処分等)を受けたため,被告(国)に対し,本件各更正処分等の取消しを求めた事案。

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