著者:長与 善郎
ページ数:331

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紀元前221年に中華を統一した始皇帝の死後、中華は再び混乱の時代を迎えていた。そして、秦の都咸陽(西安)から東に遠く離れた楚の地では、ふたりの英雄が機会をうかがっていた。項羽と劉邦。名門に生まれ、超人的な戦闘力をもった覇王項羽に対して、農民出身だが人望に優れた劉邦。彼らのそばには、それぞれ中華一の美女とたたえられる虞姫(虞美人)と、豪傑まさりの胆力をそなえた呂妃という対照的な女性がいた……。

息をのむほどの緊張感ある駆け引きが繰り広げられる「鴻門の会」、絶体絶命の危機に追い込まれた「四面楚歌」、一度は敗れた者が再び勢力を巻き返す「捲土重来」。項羽と虞姫、愛と野心、智謀と寛大、天下をめぐってさまざまな想いがせめぎあう。後世に語り継がれた名場面の数々を生んだ物語(戯曲)が、現代語訳で読みやすくなって登場!

(註)初版本『項羽と劉邦 : 戯曲』は1922年、新潮社より発行された。また現代語訳にあたっては1951年発行の岩波文庫版『項羽と劉邦』も参考とし、文語的語彙や言い回しを現代的表現に改めたほか、翻案を行った。

目次 項羽と劉邦
[序幕]
  会稽太守、殷通の館
[第一幕]
  第一場 徐州、塗山駅の虞一公邸
  第二場 沛県にある劉邦の館
  第三場 彭城におかれた楚軍の本営
[第二幕]
  第一場 定陶郊外、とある居酒屋の中
  第二場 咸陽の近く、新城におかれた項羽の陣
  第三場 関中、覇上にある劉邦の館の前
[第三幕]
  第一場 関中、鴻門にある項羽の館
  第二場 韓信の館
[第四幕]  第一場 洛水をのぞむ項羽の館
  第二場 巴蜀山中、劉邦の駐屯地
  第三場 九里山戦場、項羽の陣
  第四場 同じく九里山戦場、韓信の陣
[第五幕]
  第一場 固陵、韓信の館
  第二場 韓信の館、その奥の一室
  第三場 垓下、項羽の城の中
[終幕]
  烏江のほとり

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