著者:工藤 咲良
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『聞こえない音を聞く方法を知る人は、音のない存在に気づける人』
弱視で産まれた著者の、目立たずささやかで、聞きのがしがちな人生の旋律を描くエッセイ
聞こえない音があります。
見えない世界があります。
目に見える日常の雑事や仕事に夢中になっていると、
些細な変化に気づかず、目に見えるものに振り回されてしまいます。
その時、あなたは、あなたらしさを失います。
聞こえない音を聴こうとすること、
静寂の中に、身を置くことは、あなたを自由に解き放ちます。
その時、あなたは、あなたらしさに戻るのです。
それを感じられると、なにかを「しない」ことの価値を知るはずです。
音のない音楽を聴くことができるでしょう。
私たちの力の及ばないところで、働いてくれている、目に見えない存在が、感じられるようになるからです。
そんな人はやさしいひと。
自分の居場所を持っている人々。
ハンディキャップを持っている、持っていないに関わらず、
人はそれぞれに、生きづらさを背負って、今を生きているのではないでしょうか。
聞こえない音に耳を傾けるひとは、「生きづらさ」が、決して無駄ではないことを知ります。
人知れず噛みしめた苦しみや、誰にも目を向けられることのなかった努力。
そんな「聞こえない音たち」が、見えない糸のように、人と人、時代と時代をつないで、私たちの社会は紡がれてゆきます。
~以下序文より~
この本では、「聞こえない音を聴く」ことを通して、目に見えない世界と出会う道をお伝えします。
それは、私が音楽療法士であることに加えて、弱視という障がいをもっているからです。
私は先天性弱視で、左目の視力が0・05、右目の視力はありません。
両目とも視力は矯正不可能で、見える方の左目も、視野は下半分しかありません。
でも、生まれつきなので、私にとってはこれが当たり前。
子どものころは、自転車も一輪車も乗りまわしていましたし、
大人になってからは、国内外どこへでも、言葉さえ通じれば、一人で行きます。
こういうことを可能にしてくれているのは、
聴覚、触覚、嗅覚、その他、視覚以外のありとあらゆる感覚です。
こうして、生まれたときから自然に鍛えられてきた私の聴覚は、
音楽療法士という職業において、大活躍をしてくれただけでなく、
この本を通して、「聞こえないけれど、実際には響いている音」を聴く方法を、
みなさんにお伝えすることを、実現させてくれました。
の壁にぶつかった時、アントロポゾフィーは、私に一筋の道を開いてくれました。
「目に見えて、手で触れることのできるこの世界の後ろには、大きな、大きな、目に見えない世界(精神界)があるんだよ。」
これがシュタイナーの思想、アントロポゾフィーの考え方です。
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