著者:長吉秀夫
ページ数:176

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なぜ大麻で逮捕するのか?
2020年9月 俳優の伊勢谷友介が大麻取締法違反で逮捕された。名門大学の学生や一般人の逮捕者も多い。その多くはマスコミによって報道され、一部は実名報道をされている。これにより、たとえ不起訴であったとしても、重い社会的制裁を受けることとなり、その後の人生に大きなダメージを与える。その一方で、2018年にWHOは大麻には重篤な害がない事を正式に認めている。そのため、量刑と実害の差が大きいため、先進国では大麻違反者への刑を軽減したり、逮捕しない方法である「非犯罪化」を行っている。
日本で常識となっている「大麻犯罪」やマスコミの報道の疑問点が、複数の関係者との対話によって浮かび上がる。
事件後に初めて語る、高樹沙耶へのインタビューと寄稿文も収録。

はじめに 大麻を取り巻く現状を考える

第1章激しいバッシングに晒されて  元女優・高樹沙耶と考える
●私がバッシングされる理由
●当局やマスコミは、法律を違反している
●即刻、大麻を合法化してほしい
●芸能界からのメッセージは、すごく重要なんです
●伊勢谷さんにではなく、国民のみなさんにいいたい
●これからの私のこと

『大麻の法改正運動を長くやってきた私が、今、伝えておきたい事』
高樹沙耶

第2章大麻に害はあるのか?  正高佑志(医師)と考える
●2010年におこなわれたイギリスでの研究結果
●日本の大麻取締法には、科学的な根拠がない
●日本には「大麻利権」が存在する

第3章私たちは司法の立場から戦っていく  弁護士・亀石倫子と考える
●法改正へのアクションを起こす必要があります
●大麻についての嘘がバレてきている
●CBDオイルをきっかけに、政治を動かす
●メディアを動かし、世間を巻き込め!
●ハードルは高いが、越えていく

第4章ボク、麻薬特例法で逮捕されました YouTuber ・TheHighClass カオルと考える
●家宅捜索して、何か出てきたらラッキー?
●関東の実家で逮捕され、広島へ連行される
●勾留中に再逮捕!「これ毎回やるの?」
●テレビやネットで実名報道。顔と住所もさらされて…

コラム 麻薬特例法違反(あおり・唆し)で逮捕された女性の状況  草下シンヤ

第5章表現の自由が侵されているということ  ジャーナリスト・佐久間裕美子と考える
●世界がファシズムへと傾き始めている
●表現の自由のために、日本人は戦ったのか?
●大麻規制の倫理観
●ネットで大麻の真実を知る日本の若者たち
●大麻問題はすべての解放運動とつながっている
●大麻報道の違法性
●大麻問題とレイシズム
●大麻取締法の非犯罪化をどう思うか?

第6章ポツダム宣言と大麻取締法の問題点  弁護士・丸井英弘と考える
●大麻取締法はどのようにして制定されたのか
●大麻取締法がポツダム宣言と矛盾する点
●日本が自立し、大麻取締法を検証すべし
●大麻取締法の運用を適正にするべきである

おわりに 大麻取締法の改正を、あなたと考える

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はじめに「大麻を取り巻く現状を考える」

俳優の伊勢谷友介が大麻所持で逮捕された。(注1)
その報道を知って、「またか」と腹立たしい気持ちでいっぱいになった。
僕は彼のことは知らないが、彼の活躍や共通の知人から、彼の人柄を僕も少しは理解しているつもりだ。役者としての力量はもちろん、表現のフィールドには収まらず、彼の活動の場所は社会貢献や学校運営にまで広く及んでいる。そして彼の言葉は、いつも世界的な常識のもとに発せられているように僕は受け止めている。
世界のアーティストの中で、特に日本社会は、芸能人の政治的な発言を嫌う。そして、芸能人はその風潮を恐れる。最近になって、少しずつその傾向は和らいできているが、そんな時にこの事件だ。いや、これは本当に事件なのか?そもそも大麻取締法違反はこれほどまでに罰せられるものなのか。
僕がみる限り、伊勢谷さんも大麻については僕と同じように捉えていたのだろう。つまり、大麻は日本社会が、或いは当局が主張するほど有害ではないということを、彼も十分理解していたはずだ。以前、彼はTwitterで以下のように呟いている。
——-
伊勢谷友介 《座右の銘☞挫折禁止》
大麻で人生崩壊するのは難しいと思うけどな。それならお酒の方が簡単だ。
午後8:52 · 2012年2月4日·Twitter for iPad
————
国際社会は、大麻は日本社会が信じているような劇薬でも恐ろしい麻薬でないということを知っている。ネット情報を調べれば、そんなことは直ぐにわかる。試してみろとは言わないが、情報を冷静に精査していけば、何が真実なのかはわかるはずだ。それはすでに科学的にも証明され、WHOも認めている。国際社会の中でどちらにしようか迷っているのは国連だけだ。しかもそれは、政治的、経済的な理由からである。
大麻禁止の理由は、既に科学や医学の問題ではなく、政治や倫理の問題なのである。大麻は公衆衛生上、重大な脅威ではない。つまり、大麻取締法の存在自体に社会的な問題があり、この法律そのものが人権を侵しているのだ。
これを書きだすと止まらないので、詳細は本編の中で一つずつ検証していくことにする。

伊勢谷氏逮捕の数日後、もうひとつ腹立たしい事件が起きた。
関東に住む男女が、LINEグループの中で大麻を容認する書き込みをしたことで、愛知県警に逮捕された。(注2)容疑は麻薬特例法(注3)の「あおり」である。一体どうなっているのか。この容疑はかなり問題である。表現しただけで逮捕されてしまう。こんなことがあっていいのだろうか。昨年、もうひとつの事件があった。メキシコ在住の日本人が、メキシコのサーバを使って大麻を紹介していたことが理由で、帰国した際に広島県警に逮捕された。(注4)これも麻薬特例法の「あおり」の容疑だ。この法律は非常に曖昧である。人権侵害であり、表現の自由にも抵触するのではないか。本書ではそんなことも検証していこうと思う。
さて、この麻薬特例法による二つの事件は、容疑をかけられ逮捕された後に不起訴処分となり釈放されている。しかし、逮捕直後に実名報道され、メディアやネットで逮捕されたことが広く知られてしまった。同様のことが、長野県のある集落でおきたことがある。地域と共存し、平和に暮らしていたコミュニティに突然当局の捜査が入った。その際に、テレビ局のカメラも同行していたのだ。一体これはどういうことなのか。前述の伊勢谷氏の逮捕時も勿論同様に報道されている。しかしちょっと待ってほしい。その時点でまだ彼らは容疑者でしかなく、起訴もされていないのである。これらの件は、日本の報道のあり方についても考えさせられる。そしてそれは、大麻だけではなく、日本の政治や社会のあり方でもある。
多くのひとに、これらの事件をもっと見つめてほしい。ここには様々な社会問題が潜んでいるのだ。

「悪法も法なり」というひとがいる。しかし、悪法は法ではない。それが悪法なのであれば、それを正すのが国と国民の義務である。僕は、大麻取締法の完全撤廃を望んでいるが、現時点での僕の主張は、大麻取締法は非犯罪化すべきであるということである。大麻取締法で逮捕するな、という主張だ。
僕は、このことについて本書をつうじて、あなたとじっくりと考えてみたい。

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