著者:腸活太郎
ページ数:45

¥798¥0

腸の中に住む腸内細菌。
一昔前から注目がされています。善玉菌、悪玉菌、ビフィズス菌、乳酸菌など聞きなれた言葉がありますが、腸内フローラと呼ばれる最近のバランスが変わるだけで、心も体も変わります。ダイエット、美肌、うつ病、アレルギー疾患、免疫UPなど、様々なことに影響します。ただ、情報を溢れ、間違った情報も出回っています。本書は医療者の目線から見た腸内フローラの秘密を読み解き、どうすれば腸内フローラが改善して、目的を達成できるのかをお伝えします。

【一部抜粋】
生き物の身体の中で、初めにできた臓器を、何だか知っていますか?
それは、腸です。脳や心臓ではありません。
腔腸動物であるヒドラやイソギンチャクは、生き物の進歩の起源とも言われています。それらには太古的な「腸管」があり、口と肛門の区分けはありません。身体は内側にある腸管と、外から身体をサポートする細胞で、成り立っています。
それが、発達のプロセスにおいて、肺や胃、肝臓、すい臓など、さまざまな器官に分割されていきました。徐々に腸のみで全部の役割を担うのが、容易ではなくなってきたからです。脳も例外ではありません。
具体的な例で言うと、ヒドラは空腹時、腸管から触手を動かす神経叢へ、捕食の命令が出されます。つまり、ヒドラの動きを制御しているオペレーターは腸管なのです。そして、この神経叢は、じきに「脳」に進歩していったのですね。
企業で例えるならば、腸が「本部」、脳は「支部」と捉えることができます。腸は以前認識されていたように、単純に食べ物の養分や水を吸い込み、分解して、老廃物を生成して表に放出するだけの器官ではなかったのは、明らかです。
その腸の価値は、古人も感じ取っていたのでしょう。「腸」「腹」の言葉を用いて感情を表す文言は非常に多いです。「腸が腐る」「腸がちぎれる」、もしくは「腹が決まる」「腹黒い」などが、その例です。

私は昔から「ヒトの心は、脳ではなく、腸にある」と考えています。
決して、心のことだけを言っているのではありません。「腸管」は腸を核として、入口から出口まで伸びていますが、ここには身体全ての免疫細胞の70%が集まっていると言われています。この免疫機能とは、外部から侵入してくる有毒物を跳ね返す力です。
腸は、ヒトの心と身体の双方を制御し、上手に釣り合いを取りながら、健やかさを保っていこうと働いています。
そんなわけで、私は腸を草木の「根」に置き替えて、考察することにしました。身体機能の全部の「起源」となっているところが、養分を吸う「根」です。腔腸動物を想像していただければ、よく理解できますよね。

もし患者の病気を治すなら、この根を治癒するべきなのではないでしょうか?
例えば、木の花が萎れていたり、良い果実が実らなかった場合、どのように扱えば、良いでしょうか? 今日の通常の医療では、花が萎れたら花を観察し、葉が落ちたら葉を観察する、それでどのように治療していくか計画を立てます。
しかし、本当にそれだけで良いのでしょうか?
例を出すと、アレルギーに困っている人に対して、鼻汁が酷いからと鼻を治し、目ムズムズするからと目を治します。しかし、このような治療で完治するとは、誰しも考えないでしょう。
第一に「根」を治療する必要がある、と私は思いました。木で例えると、根が病気になってしまっては、もう尽くす手がありません。しかし、根が良い状態で安定していれば、再び花や果実を実らせることができます。
実際に私は、根である腸を改善することで、鼻や目、四肢の疼痛が良くなっていく姿を多く目にしてきました。
しかしながら、その根も、ひたむきに根だけに集中していれば良い、ということではありません。
草木でも、土の状況を確認したり、熱など周りの事情を考慮する必要があります。
土壌を荒らされないようにフェンスを設置したり、どのような肥やしをあげれば良いのかを考慮します。
ヒトの身体で例えるならば、飲み食いや日々の生活に当てはめて考えることができます。

◆「ぬか床」である腸で活発に動くのが、腸内フローラ
私は長い間、お腹を診察することで病人の腸の様子を診てきました。その中で、腸が「何か」と同じようなものだと気づきました。
その「何か」とは「ぬか床」です。大根やを人参はじめ、色々な食材を漬けて発酵させた「ぬか潰け」は、特有の味を醸し出し、また長期間の保存が可能になります。
その「ぬか床」では、バクテリアが多くの物質を分裂して変える「発酵」と言う現象が起こり、私たちにとって価値あるものにしてくれます。アルコール発酵を例に説明すると、酵母菌が糖とアルコールと二酸化炭素に分解します。その働きによって、我々はお酒を楽しむことができます。この現象を「ぬか床」に置き換えると、乳酸発酵です。乳酸菌が糖を分離させて、乳酸を生み出しています。
このときの、酵母菌や乳酸菌は、私たちに良い作用をもたらす菌です。紛れもなく「バクテリア」の一つですが、悪さをする菌ではないのです。
腸内細菌は腸に生息し、この「ぬか床」にいる菌と同じように「発酵」しているのです。消化に使われる酵素の力では分裂できないファイバーやプロテインが、ヒトの体内に入ってきた場合、糖質を分裂させ、身体にとって良いものへと変化させます。
その為、腸は発酵の役割を果たす腸内フローラによって、状態が左右されます。
すなわち「ぬか床」の漬かり方が良ければ、発酵した身体に良いものができ、漬かり方が悪いと、味が悪く身体にも悪いものが出来上がります。
腸内フローラのシステムなのですが、近頃「善玉菌」「悪玉菌」といった言葉を耳にすることがあるでしょう。乳酸菌やビフィズス菌など名称で、民放の広告などによく出てきます。
ヒトが健やかに生きてくためのものを作ってくれる菌が、乳酸菌やビフィズス菌などの「善玉菌」と呼ばれるものです。
反対に、余分に増えると身体の中で悪影響を及ぼす動きをする菌は、ウェルシュ菌、大腸菌に代表される「悪玉菌」です。分解しきれないプロテインを腐らせ、毒性の物質を作り出したりします。この毒性の物質は、ガン細胞を生み出したり、加齢をより進める危険性もあるのです。
つまり、善玉菌が多いと良い「ぬか床」、悪玉菌が多いと悪い「ぬか床」と言うことができます。
しかしながら、それならば悪玉菌は全部なくなった方が良い、と思い込んではいけません。
ヒトの身体には、ちょうど良い兼ね合いが大事なのです。自動車で言うと、加速装置を善玉菌、減速装置を悪玉菌に例えることができます。双方の能力を活かすことで、自動車は順調に走行できます。

更に言うと、悪玉菌が凶暴になるのは、腸内細菌の均衡が崩壊し、善玉菌の量が特に減少したときだけです。健やかで良い状態であれば、特段悪さをすることはありません。
それに、悪玉菌が、もし腸に多大な悪影響を及ぼす病原菌だとしたら、元々住みついている菌が数の力で追い出そうとするのに、共存していますよね。諸説ありますが、善玉菌では腸から取り除くことができない病原菌を、悪玉菌が排除してくれる場合もあるとも言われています。悪玉菌が生み出した老廃物が、善玉菌の食べ物になっているという説もあります。本当のところ、「味方同士」なのではないか、との見解があるのです。
同じ教室で学ぶ真面目な生徒と不真面目な生徒が事実、友人関係だった、そんな昔流行った学園ドラマみたいですね。そして、覚えていなければならないのが、「日和見菌」です。
これは善玉菌でも悪玉菌でなく、性質はまさしく「日和見」。レンサ球菌、バクテロイデス菌などに代表されるもので、場面によって、勢いがある方に味方します。
腸の状態が悪いときは、立ち所に悪玉菌に加勢して、毒性の物質を生み出します。反対に、状態が良いときは、善玉菌と力を合わせて、どんどん身体に良い物質を生成してくれます。
すなわち、日和見菌は腸の均衡のキーと言っても過言ではありません。
良い状態の腸なら、どちらの味方でもない菌が60%以上と言われています。その他は、善玉菌が全体の20〜30%、悪玉菌が10%の構成です。

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【第1章】 腸活とは
【第2章】腸の働きを見てみよう
【第3章】腸の力アップで快便生活
【第4章】アレンジ食事で腸活を始めよう
【第5章】腸が元気になれば美肌になれる
【第6章】今日から腸活をはじめるあなたへ

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腸活をしている有名人
広瀬すず、指原莉乃、藤原紀香、加治ひとみなど

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