著者:ドージ・キャモン
ページ数:51

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1989年のバブル崩壊以来ずっと低迷を続けてきた日本経済だったが、2021年3月、コロナショック下の金融緩和が続く中で日経平均株価3,0000円を記録し、30年ぶりの水準にもどりつつある。日本株だけではなく、米国株式を中心に世界中の株式・金融資産が大きく値上がりしているが、中でもダントツの成長率で注目を集めているのはビットコインをはじめとする仮想通貨だ。仮想通貨に対する人気の上昇は、新時代の新たな決済方法として世界中に広まっていくという期待を反映している。一方で、過去に仮想通貨はたった1日のうちに瞬間的な暴騰・暴落を経験しており、値動きの激しいハイリスクな投機的金融商品だとする認識も投資家の間ではいまだに根強い。今回の仮想通貨の急成長はバブルの再来か、それとも見過ごせない最後の購入機会なのか。この記事では今まで仮想通貨に好印象を持てず距離をとってきた読者を対象に、今更聞けない仮想通貨の基本知識、仮想通貨にまつわる主要なニュースなどを交えて、適切な仮想通貨との向き合い方を提案したい。❁❁❁❁❁【第一章】今さら聞けない仮想通貨 1-1 始まりは1報の論文 1-2 ビットコインとブロックチェーン 1-3 その他代表的な仮想通貨の特徴 1-4 仮想通貨をめぐるこれまでのニュース【第二章】日本のトラウマがもたらす消極的姿勢 2-1 バブル時代 2-2 バブルの崩壊 2-3 失われた30年 2-4 進まない価値観のアップデート【第三章】海外経済とビットコイン 3-1. アフターコロナによる経済界の地殻変動 3-2. 動き出したビットコイン経済 3-3. 仮想通貨の様々な使い道 3-4. 仮想通貨の定義に関する議論【第四章】日本経済・暗号資産の現状 4-1. リップル選好の日本 4-2. TOKYOオリンピック 4-3. 受難につぐ受難  4-4. ビットコインを用いた決済サービス普及の課題【第五章】リスクを分散させた仮想通貨投資運用 5-1 長期の定額積み立て投資 5-2 仮想通貨のレンディング(貸付サービス)【おわりに】❁❁❁❁❁【ナカモトサトシとは?】ビットコインは、政府や中央銀行といった特定の機関に依存することなく成立している非中央集権型の暗号資産(仮想通貨)です。従来とはまったく異なる新しい枠組みを提示し、ビットコインの基盤技術であるブロックチェーンは様々な改良が加えられ、幅広い領域で活用され始めています。ところが実はビットコインの基礎となった論文の執筆者は、未だに正体不明の謎の人物なのです。ビットコインの考案者は「Satoshi Nakamoto」(サトシ・ナカモト)と名乗る人物です。名前を見ると日本人のようですが、何者かは明らかになっていません。国籍や性別、個人なのか集団なのかも分かっておらず、2020年6月上旬現在もその正体は不明のままです。正体については様々な説が噂されています。過去、サトシ・ナカモトの正体を探す動きが見られたり、“自称”サトシ・ナカモトが現れたりしましたが、今のところ本物のサトシ・ナカモトは見つかっていません。ビットコインが稼働し始めてからしばらくの間は、サトシ・ナカモトがほとんど1人でマイニングを行っていたため、サトシ・ナカモト保有のビットコインは約100万BTC(2兆円相当。2020年12月末のレートで換算 )にものぼると推測されています。しかも100万BTCという数量は、ビットコインの総発行予定数量(約2,100万BTC)の約4%を占めています。またこれらは、いまだにサトシ・ナカモトのビットコインウォレットで保管され続けており、送付や取引などは一切行われていません。サトシ・ナカモトのものと思われるアドレスからビットコインを送付できるのは、サトシ・ナカモト本人のみだと考えられるため、仮にこれらのアドレスに動きがあれば大きなニュースになるでしょう。ビットコインの価格に影響を与えることも考えられます。サトシ・ナカモトの論文の内容は?サトシ・ナカモトは2008 年 、「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」(ビットコイン: P2P電子通貨システム) という論文を公開しました(後述)。日本語を含め31言語(2020年6月上旬現在)に翻訳されており、多くの方に読まれ続けています。この論文は、「完全なP2P電子通貨の実現により、金融機関の介在無しに、利用者同士の直接的なオンライン決済が可能となるだろう」という、「宣言」ともとれる印象的な書き出しに始まり、ビットコインの仕組みについて論じています。暗号学関連技術、人々の行動を変化させる経済的要因・インセンティブを組み合わせることで、例えば政府や金融機関といった「信用のおける第三者」を存在させずに、利用者間での直接的なオンライン送付を可能にする暗号資産の仕組みを記しています。ビットコインや暗号資産(仮想通貨)の技術基盤、ブロックチェーンサトシ・ナカモトの論文には、ビットコインの技術的基盤として「ブロックチェーン」という単語が頻繁に登場します。この「ブロックチェーン」という名称は、データの固まりにあたる「ブロック」を鎖(チェーン)のようにつなげたデータ構造である点に由来します。ブロックチェーンにより、中央集権的な管理者を置くことなく、数学的な仕組みを用いた二重支払いなどの不正防止、改ざん耐性を持った分散型データベース(分散型台帳)といった技術を実現しています。また、ビットコインとブロックチェーンは同時に誕生したため混同する方がいますが、「ビットコイン=ブロックチェーンではない」点を覚えておきましょう。ブロックチェーンはビットコインを起源とするものの、ビットコインとは別のブロックチェーンが数多く開発されています。

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