著者:鈴木 教平(合同会社むすびて)
ページ数:106

¥595¥0

筆者(の経営する会社)が本格的に民泊に参入したのはコロナ禍に入ってからの2020年5月です。外国はおろか日本国内での移動もままならない中で開業に至り、出版時点(2021年5月)でも積極的に新規展開を検討しています。なぜそのようなスタンスを取っているかというと、「インバウンド観光と宿泊需要は必ず回復する」と期待しているためです。

残念ながら、コロナ禍により多くの宿泊施設が廃業しました。しかし、生き残っている宿泊事業者にしてみれば、ライバルが減ったと言うこともできます。ライバルが減れば稼働率は上昇しやすくなり、それに伴って宿泊単価も上がり、売上・利益率ともに向上が見込めます。さらに、長らく外国に行けなかった人々のフラストレーションを考えると、今までよりも高単価かつ長期での宿泊も期待できるというわけです。

世界の人口は、国連の中位推計によれば2100年に110億人に達する見込みであり、さらに多くの国で平均所得は増加傾向にあります。特に日本に近い中国は圧倒的な人口と増加する平均所得を持っているほか、東南アジアの多くの国では人口・平均所得ともに増加傾向にあります。短期的には現在の渡航規制の長期化や米中冷戦などの不安材料もありますが、このように中長期的に見ると、インバウンド観光市場は依然としてファンダメンタルが強く、成長が見込めるのです。

現状においては民泊の稼働率・利益率は低いと言わざるを得ませんが、単月黒字を確保することは現実的であり、大きく負けることはない、というのが弊社実績に基づく現状の見解です。この苦境を耐え抜けば、業績は大きく改善することでしょう。

さて、このような激動の渦中にある民泊ビジネスですが、日本でも流行した大きな理由に「個人でも始めやすく、不労所得モデルの構築が可能」というものがあります。物件探しや開業許可取得のハードルさえクリアすれば、ある程度の現金だけでも投資でき、さらに運営のほぼ全てを運営代行業者に委託できるため、会社員の副業としても注目されています。

雇用の不安定化・流動化が進み、職場での仕事のみならず個人でも稼ぐ力が求められるようになってきている昨今、手放しでも収益が得られる民泊の注目度は高いものがありました。今後、市場動向が落ち着いてきた際には、再び副業としても脚光を浴びることになるでしょう。

この本では、主に副業や新規事業として民泊を開始したいと考える方に向けて、民泊の概要や事業としてのメリット・デメリット、どれくらい稼げるのかといった基礎的な部分に始まり、物件の探し方や良い物件の選定方法、多くの方が頭を悩ませる開業許可取得の手順とノウハウ、予約を受け付けるためのOTAの選び方やリスティングの作成方法、開業後の運用の仕方など、基本的な事項を網羅的に解説します。

衰退が懸念される日本経済の中にあって、成長市場であるインバウンド観光業界に個人でも簡単に参入できる民泊には、事業性においても、良い事業経験を積める点においても魅力があります。最後まで読み進めて頂き、開業に向けてイメージを具体化して頂ければと思います。

※本書は合同会社むすびてブログ上で公開した記事を加筆修正したものです。

シリーズ一覧

  • 同シリーズの電子書籍はありませんでした。

 

  Kindle Unlimitedは、現在30日間無料体験キャンペーンを行っています!

この期間中は料金が980円→0円となるため、この記事で紹介している電子書籍は、すべてこのKindle Unlimited無料体験で読むことが可能です。

Kindle Unlimited 無料体験に登録する