著者:辻 仁成
ページ数:468

¥1,200¥0

この小説は探偵小説というスタイルを借りながら、純文学作品として最終的に結実していく、入れ子状の構造を持ち、読者を非常にスリリングに翻弄させていきます。サリンジャーを彷彿とさせる人気作家の失踪に端を発し、画家、ジョージア・オキーフを敬愛する編集者が事件に巻き込まれていく「オキーフの恋人」、その失踪作家が失踪先から投稿を続け、予言通りに起こる謎の連続殺人事件が空想を超え現実にまで影響を及ぼしてくる「オズワルドの追憶」。この二つの作品は下北沢という同じ東京の住宅地を舞台にしながら、縦軸と横軸が常に交差し、複雑に入り乱れ、次第にこの21世の現代を予言するような衝撃的結末へと読者をひきずりこんでいくのです。響きあう二つの物語が交差しながら生まれた現代の黙示録、作者自身により長い年月をかけて加筆訂正された電子書籍用決定版の登場です。

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