著者:堀江匡平
ページ数:63
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アフリカは世界で2番目に大きな大陸で、アルジェリア、ボツワナ、南アフリカなど、さまざまな国が存在します。アフリカの人々の所得水準には、これまで格差がありましたが、最近では高い経済成長率によって変化してきています。またアフリカには、ヨーロッパ諸国による歴史的な植民地化の影響を受けたさまざまな文化があります。現在、アフリカのほとんどの国は独立していますが、植民地支配の過去がビジネスや経済システムに影響を与えています。アフリカには様々な民族が存在し、それが政治的・社会的環境に影響を与えているのです。例えば、多くのアフリカ諸国が独立したことで、政治クーデターや大統領の暗殺など、政治的に不安定になりました。また、アフリカの一部の国では独裁政権が誕生し、多くの人々の生活環境に影響を与えてきました。政治や社会の側面だけでなく、環境の側面も影響しています。アフリカには熱帯から亜寒帯まで多様な気候があり、それがアフリカに存在するビジネスベンチャーの種類に影響を与えているのです。ほとんどのアフリカ諸国の経済構造は、少数の大企業と多くの零細企業の間で二極化しているのです。また、アフリカでは大企業と中小企業の間に格差があるため、起業を目指す中間所得者の数を増やす必要がありました。これは、多くのアフリカ諸国が発展途上国から先進国へと移行していく上で重要なことです。しかし、アフリカにはリスクの高いビジネス環境や政治的条件があるため、起業家にとっては課題があります。したがって、起業家精神の取り組みから発展した民間企業の事業活動をもっと奨励する必要があるのです。
この起業家精神は、「新しいものを創造し、リスクと報酬を引き受けるプロセス」と定義され、アフリカにおける起業家精神は、事業活動のメリットとデメリットを比較検討するという点で、責任を伴う決定を行うことを意味しています。アフリカの起業家は、将来的に利益を得られる可能性のある資源を集める方法として、ビジネスベンチャーを追求していますが、起業家が成功するためには、必要な資源の管理を含む行動計画が必要です。また起業家精神は、雇用の創出や貧困の緩和に影響を与えることから、経済発展の主要な原動力であると関係者に認識されています。以前、アフリカの起業パフォーマンスは弱いと言われてきましたが、アフリカの起業と起業家の能力に関する前向きな動きは、アフリカのアントレプレナーに大きな可能性を秘めているのです。その一方で、起業の中心となるのは、機会を見つけ、新しいベンチャー企業を生み出すために生産要素を集める役割を担う起業家であることに加えて、どの産業も無縁ではいられないグローバルなビジネス環境の劇的な変化により、ビジネスを行う上での機会と課題の見直しが求められています。
そこで本書では、アフリカの起業家精神について、起業家精神から学べること、またアフリカの起業家の課題に関して、さまざまな視点から説明しています。まず始めに、アフリカにおける起業家精神の変化について説明していきます。アフリカにおけるアントレプレナーシップの重要性、アフリカのビジネスとアントレプレナーシップを結びつける主な問題を挙げ、アフリカ特有のアントレプレナーシップのタイプに対する関心の高まりについて解説していきます。その次に、起業家精神に影響を与える国内のステークホルダーの役割についてです。これは、地域の経済政策が起業家精神に対する態度や自己雇用の将来的な傾向にどのように影響するかを理解する上で重要です。そのために起業家精神のエコシステムと、タンザニアの発展において起業家精神のエコシステムが果たすと考えられる重要な役割を紹介していきます。そして最後に、アフリカにおいて小企業がどのようにして大企業に発展するかを説明していきます。戦略としての企業起業家精神の活用は、ケニアのビジネスマンにとってのチャンスです。そのため、ケニアのサービス業の中小企業における企業起業家精神を促進するための必要条件について説明していきます。それでは読み進めていきましょう。
(目次)
はじめに
第1章 アフリカン・アントレプレナーシップ
起業家精神の高まり
アフリカの経済パフォーマンス
アフリカの起業家精神
教育によるアントレプレナーシップの促進
第2章 起業家のエコシステム
市場
政策
金融
サポート
文化
人的資本
第3章 ケニアの中小企業の起業家精神
企業のアントレプレナーシップ
制度と起業家精神
企業と個人のネットワークとソーシャル・キャピタル
終章 アフリカのビジネスが、なぜ注目されるのか?
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