【無料で読める】ビットコインの歩き方: 世界の今を知るとビットコインが見えてくる

あなたはビットコインを誤解していませんか？
ビットコインは投機やギャンブルだと思っていませんか？
ビットコインが人道支援や人権擁護のツールとして使われていると言ったら、驚きますか？

【訳者あとがき】より
　ビットコインという言葉を聞いたことがある方は多いと思います。2017年にビットコインの価格が急騰した際には、メディアでも頻繁に取り上げられ、「億り人」という言葉が流行りました。その時の印象が強いためでしょうか、日本では、ビットコインは一攫千金を狙うギャンブルと捉えられている節があります。
　2017年のバブルが弾けた後、ビットコイン価格は暴落し、その後２年以上も低迷したため、日本ではビットコインはすっかり過去のものとして忘れ去られた感があります。でも、世界では、ビットコインは着実に社会へと浸透しています。本書でご紹介したように、途上国や独裁国では、インフレに対する自衛策、国外への資産退避手段としての需要が増え続けています。欧米では、企業がインフレヘッジとして資産計上したり、ヘッジファンドがポートフォリオに組み込んだりと、価値貯蔵手段や金融資産として定着しつつあります。アメリカでは、個人投資家の６％、40代以下に限れば13%がビットコインを保有しています（2021年6月調査）。日本での正確な普及率は不明ですが、取引所の口座数などを参考にすると、おそらく1%未満ではないかと思われます。
　また、英語圏では、ビットコインに関する良質な記事や本が次々と出されています。中でも、ビットコインを貨幣制度と捉え、経済学的観点から論じた本