著者:のりたか
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 トラックドライバーから芸人となり、楽屋泥棒で師匠から破門された主人公の葛藤を描く…

 岩手から上京した高田道邦は、演芸場で活躍する紙切り芸人の弟子となり二つ目まで昇進した。だが一年ほど前から楽屋荒らし、それが師匠へ知られ破門になる。その後はひっそに暮らす高田は通帳から最後の数千円を引き出す。
地元ではトラックへ乗っていたが人を巻き込み、五年近く交通刑務所で更生した。出所すると家族に勘当され、一人暮らしをし、アルバイトで生計を立てていた。そんなころネット動画で紙切り芸人へ魅了し、日々鑑賞をした。そして扇家一門をたたき『四郎』の名をもらう。寄席の芸人業界は厳しく、地位は前座から始まり師匠の世話や自宅の掃除、演芸場の前座仕事を三年こなし二つ目へ昇進。ようやくギャラの出るプロの舞台を踏め、それでも夢がかなう。次の目標である真打ちへ昇進すればバイトをやらずにすむ。そんな矢先の悪事だった。日々落ち込みながら酒を飲む。深酒は翌日に残る。せっかく覚えた紙切り芸を諦めきれず、高田は考えた結果、自営で芸をしようと目標を立てる。それは『ペーパーカッター、ミチクニ』という屋号にし、元の兄弟子へ理由を話して資金を借りる。そのころ演芸場の主である席亭からバイトの誘いがある……

もくじ
☆☆☆

一、四郎

二、懲役刑

三、ペーパーカッター

四、三郎

五、席亭

六、おでん屋

七、演芸場

著者 のりたか
1965年12月生まれ
静岡県静岡市出身
転機は小学三年生。水泳が厳しく脱走し登校拒否となる。担任が変わる小学四年から復帰。中学は楽譜が読めずにブラスバンドへ入部。譜面を一年で解読する。高校中退後、芸人に憧れて上京するものの、弟子になれず田舎に帰途する。その後、通信高校を七年で卒業。建設現場、トラック運転、郵便配達、演芸場、タクシードライバーなどを経験。同級生の漫画家さくらももこさんに絵をもらい、エッセイ「僕、はまじ」(彩図社)を出版。書く楽しみを知り、近年は物語を書き電子出版している。

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