【無料で読める】少年少女のための日本の歴史物語第６巻 明治・大正時代

　　幕末の戦乱は悲しい事でした。　しかし明治になると、欧米の餌食にならないように国を強くするのが先決です。　維新に活躍した西郷隆盛が今度は逆賊とされ、鹿児島の城山で亡くなります。　この物語では、彼が征韓論を唱えたようには読めないのですが？　
西南の役後に、国は教育と富国強兵の立憲君主体制に向けて大きく舵をとります。　
この間に多くの逸材があらゆる分野できら星の如く現れたのは不思議ですね。　彼等は、国を思い誠心誠意働きました。これらの人材は、先の江戸時代が準備していた若い人々なのでしょう。　一方で、これらの推進に明治天皇が、多くの勅諭で示されるように、国の中心となって国民を導いた事にも感心します。　歴史上、わが国で天皇制が弱い時代がありましたが、続いた事が幸いしました。　勿論、有能な官吏が支えたのでしょう。
わが国が列強の餌食にならないように、国を強くしたい。　まず隣国の朝鮮が不安定で、中国の属国となり我が国と敵対しかねない懸念のために、日清戦争が起こりました。　初めての外国との本格的な戦争でした。　わが国はこの戦争で勝利して、台湾と各種権益を戦争賠償で得ました。　この頃欧米も、中国に多くの居留地権益を得て、中国・清は独立国の体を成さないようになりました。　各居留地では中国人との衝突が発生し、各国は協同で軍を中国に派遣しました。　北清事変のように、その中で地理的に最も近い日本からの軍隊が重宝がられ、だんだんと我が国の中国での存在が大きくなりました。　
引き続き、大国ロシアの南下をやっとはね返しました。　日露戦争の様子がよく分かります。　旅順での乃木将軍と敵将ステッセルとの会見、そして日本海海戦に勝利した東郷提督がロジェストウェンスキー司令長官を佐世保に見舞った事も美しい話ですね。
その後、欧米では強国間の争いが第一次大戦として起こり、わが国も連合国からの要請も有り、チェッコ・スロベニア兵保護の為にシベリアに出兵しました。　わが国は「和を以って貴しとなす」つもりでしたが、日本の存在が大きくなるに従い、欧米の日本に対する警戒心が強くなり始めました。
この歴史物語は大正時代で終わります。　　参考までにその後の歴史は、中国国内での反日への日本の対応、米国を中心とした経済的な日本包囲、そして大戦、敗戦へと進みます。　　最近、近現代史の勉強が盛んになっています。　　この第６巻は、その序章としての経過を理解するのに助けになる歴史物語になっています。　ご確認ください。