著者:佐野洋
ページ数:334

¥1,250¥0

私たちは普段の生活において何かの選択を迫られた場合、その判断の多くは自分の経験則や直感に依存しており、余程重大な問題を除いては深く考えることはしないものだ。忙しさにまぎれて、勘と度胸という直感に頼るような判断や決定ばかりが多く、知的作業が必要とされる開発プロジェクトの分野であるにもかかわらず、仕事を流れ作業的にこなすことばかりに忙殺されている。

プロジェクトマネジメント業務は開発プロジェクトのすべての関係者間との相互関係の上に成り立っている人間関係業務の一つだと言える。人間関係的な業務では専門的な知識は当然のこと、認知心理学的な知識も重要な知識の一つであろう。 
行動経済学は、認知心理学と経済学が融合されたものであり、プロジェクトマネジメントの領域にも非常に多くの有益な示唆を与えてくれる。
 
本書では、行動経済学の知見、すなわち判断と選択に関する認知心理学的な知恵をプロジェクトマネジメントに活かす方法について模索してみたいと思い、行動経済学の啓蒙書であるダニエル・カーネマン著の『ファスト&スロー』における知見をベースに、プロジェクトマネジメントにおける適切な判断と選択による意思決定の方法を探ってみた。

本書は以下に示した七章で構成されている。
「第1章 プロスペクト理論」においては、行動経済学の基本理論であるプロスペクト理論およびその構成要素である価値関数・期待値・基準率・効用を取り上げ、これらがプロジェクトマネジメントにおいてはどのような意味合いを持つのかを考察した。

「第2章 ヒューリスティック」においては、直感による問題認識の仕方であるヒューリスティックについて利用可能性・代表性・感情を取り上げ、プロジェクトマネジメントにおいてはどのようなことを示唆しているのかを現場の事例に即して考えてみた。

「第3章 バイアス」においては、直感思考が招きやすい偏った物の見方として、認知的バイアス・楽観バイアス・確証バイアス・後知恵バイアス・現状維持バイアスを取り上げ、我々の開発プロジェクトにおける影響を考えてみた。

「第4章 認知的錯覚」においては、私たちを事実誤認に誘う認知的錯覚・妥当性の錯覚・焦点錯覚の三つをとりあげ、開発プロジェクトにおける事例を検証した。

「第5章 認知的な効果および法則」においては、認知心理学や行動経済学においてよく知られている、アンカリング効果・保有効果・ハロー効果・プライミング効果・最小努力の法則・少数の法則・サンクコスト・ピークエンドの法則を取り上げ、私たちが身近に経験する心理的体験がプロジェクト活動にどれほど強い影響力を持っているのかを事例に沿って示してみた。

「第6章 バイアスがもたらすリスク」においては、これまでの章において言及した多くのバイアスが、私たち自身および開発プロジェクトにもたらしているリスクの実態を明らかにし、その対応について考えてみた。

最終章「第7章 メンタル・アカウンティング(心理会計)」においては、誤りの多い私たちヒューマンが開発プロジェクトにおける失敗も成功もすべて包含したうえで、心の内でどのようにバランス(心の収支決算)を取るべきか、またそのような現場で生き抜くためのセルフコントロールには何が必要かということについて考えてみた。

各章内のそれぞれの節は基本的に「

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