著者:立岩陽一郎
ページ数:178

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本書の「はじめに」

この「NHK記者がNHKを取材した」は私が編集長を務める非営利オンラインメディアのInFactに2021年3月から連載しているものだ。本文中にInFactと出るのが「私」あるいは「筆者」と読み替えて頂きたい。

InFactの連載のタイトルは「NHK研究」としたのだが、それに深い意味は無い。「NHK記者がNHKを取材した」の方が内容に合っている。

この連載は友人の編集者から「立岩さん、NHKについて俯瞰的に見た内容を本に書いたらどうですか?」と言われたことがきっかけだった。それは実は私がNHKを辞めた2016年の年末にまでさかのぼる。それから5年経ってやっと始まった連載だったわけだ。

それには理由がある。私はNHKに25年間在籍した。それは記者として取材をする立場だったり、デスクとして取材を指揮し番組を作る立場だったりで、いずれもNHKの極めて重要な役割を担ったとの思いはある。一方で、それがNHKの業務の極めて一部でしかないことも知っている。

友人の編集者に言っていたのは、「私の経験を語るというだけの内容は書かない」ということだった。もちろん、経験を書くことにも意味はある。共有する価値のある経験もあるだろう。しかし私の経験はそうではない。だから私がNHKを描くなら、それは私自身があらためてNHKを取材して書くしかない。

そうして始まった取材であり、それが「NHK研究」というあまり深く考えずにつけたタイトルでInFactの連載となった。電子書籍というのは私にとって初めての試みだ。さて、どういうものになるのか。読者の皆さんとともに緊張感をもって読みたいと思う。

目次より

第1話 NHKに激震が走った日
第2話 衝撃の「人事制度改革」
第3話 改革に期待する現役NHK職員
第4話 前田改革が求める人材とは
第5話 40代で局長に抜擢する人事改革の行方
第6話 NHKが「クローズアップ現代」の終了を決定。後継番組の検討始まる
第7話 NHKは反発 それでも「クローズアップ現代」の今後については触れず
第8話 NHKは「クローズアップ現代+」の後継番組を作るための部局横断のプロジェクトをすでに始めていた
第9話 改革の目玉「次期トップマネジメント人材」
第10話 「この改革ではドキュメンタリストは育たない」
第11話 記者クラブがある巨大メディア
第12話 NHK理事とは何か
第13話 最高意思決定機関としての経営委員会①
第14話 最高意思決定機関としての経営委員会②
第15話 政治部とは何か①
第16話 政治部とは何か②
第17話 政治部とは何か③ 「電気椅子」に座らされる記者
第18話 21年前にNHKを揺るがせた「指南書問題」①
第19話 21年前にNHKを揺るがせた「指南書問題」②
第20話 セイバンという集団

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