棺に金の降る降る: シルバーオクトパシー3

この作品は二〇一六年にメンバーオンリーの個人サイトで公開されました。
その当時は世界中がアウンサンスーチー女史によるミャンマーの民主化を信じ切っていた感じでしたが、著者はまったくそう思っていなかったようです。作品中随所に出てくる日本政府のアウンサンスーチー女史への冷ややかな視線、一方でミャンマー国軍と日本政府との切っても切れない関係を題材にしたエンターテインメント作品で、再版の希望があったために著者の許可を得て再版します。
　出版社とは一切関係ありません

【あらすじ】
裏社会では名の通った実績、信用ナンバー１を自負する吉原の老舗会社、シルバー・オクトパシー・シリーズを描く第三弾。 副業に精を出す社員ロンの経営するデリヘルで無戸籍の嬢が病死する。仕方なくロンは金の亡者と言われる葬儀師、有原に葬儀の手配を頼む。一方、もう一人の社員、三笠國はゴスロリの偽処女サオリとともに、日本のビルマ人コミュニティーの重鎮ティンタンから、来日するミャンマーのビジネスマンの世話を依頼される。その頃、九州で産業廃棄物を巡る暴力団同士の手打ちに尽力していた社員の木村は、かつてシルバー・オクトパシーに脱北者の手引きを依頼した元議員秘書の佐々木と再会する。 金の亡者の思惑が交錯する中、アウンサンスーチー率いる民主化勢力が選挙で圧勝したミャンマーの現状を横目に、葬儀と火葬に魅せられた自称「火葬研（カソウケン）の女」貞子がシルバー・オクトパシーの亡八達を巻き込んで、人生を賭けた無鉄砲な勝負に出る。