著者:山本卓卓
ページ数:96

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「ねえダーリン? もうここを越しましょう?
どうしてこんな思いをしながらこの場所にしがみついて生きていく必要があるの?
頭のおかしな人の常識にどうして私たちの日常が脅かされなければならないの?
ねえダーリンわかってる? あいつが怪物だってこと。
怪物の理屈に私の心が犠牲になっていること。
この犠牲にあなたを巻き込まないよう私が防波堤になっていること。
私たち苦しみを共有できていないこと。」

ひとつの家に住んでいても言えないこと。
隣の家に住んでいても聞こえないこと。
本当かわからない過去のことや、知らないふりをする未来のこと。
2組の夫婦の心の声に耳をすませて描く、現在の物語。

演劇集団「範宙遊泳」の劇作家・山本卓卓が劇作に専念し、戯曲を上演台本ではなく文学として書き上げた最新作。
マレーシア、タイ、インド、シンガポールなどの劇団と国際コラボレーションを多数経験し、半年間のニューヨーク留学を経た山本卓卓が描く “This is Japan” とは・・・

著者|山本卓卓(やまもと・すぐる)
劇作家・演出家。範宙遊泳代表。1987年山梨県生まれ。

幼少期から吸収した映画・文学・音楽・美術などを芸術的素養に、加速度的に倫理観が変貌する現代情報社会をビビッドに反映した劇世界を構築する。
アジア諸国や北米で公演や国際共同制作、戯曲提供なども行い、活動の場を海外にも広げている。

『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。
公益財団法人セゾン文化財団フェロー。急な坂スタジオサポートアーティスト。
アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)2018グランティアーティストとして、2019年9月〜2020年2月にニューヨーク留学。

2020年5月に「むこう側の演劇」を始動し、過去作品をYouTube
https://www.youtube.com/user/hanchuyuei/videos
で多数無料配信しているほか、オンラインをも創作の場として活動している。

演劇集団「範宙遊泳」(はんちゅうゆうえい)
2007年より、東京を拠点に海外での公演も行う演劇集団。すべての脚本と演出を山本卓卓が手がける。

現実と物語の境界をみつめ、その行き来によりそれらの所在位置を問い直す。
生と死、感覚と言葉、集団社会、家族、など物語のクリエイションはその都度興味を持った対象からスタートし、より遠くを目指し普遍的な「問い」へアクセスしてゆく。

近年は舞台上に投写した文字・写真・色・光・影などの要素と俳優を組み合わせた独自の演出と、観客の倫理観を揺さぶる強度ある脚本で、日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、中国、シンガポール、ニューヨークで公演や共同制作も行う。

『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。

公式サイト|https://www.hanchuyuei2017.com

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